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響瑠

Author:響瑠
ここに書かれている日記は
<妄想>です。
実在する地名・人名・団体名が登場しても、それは偶然ですので、まったく関係ありません。
また、ここに記されている内容はオリジナルですので
著作権は作者にあります。勝手に使用しないでくださいね。
【18禁表現を含みます】


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<宗一郎の部屋・夜>
1週間前に知った事実に、俺は正直混乱していた。
叔父の佳苗への性的虐待。しかも1度きりではなかったということを後で聞かされた。
そして、今まで望だと思って接してきた相手は、ショウという別の人格であったこと。
更に、望はまだ3歳だという。

今日の昼間、佳苗と共に神田病院へ行ってきた。
田崎先生の治療を受け、ショウの協力のもと、3歳の望と対面することが出来た。
それは、ショウの演技などではなく、本当にあの時のままの望だった。
最初は、蝋人形のような無表情だったが、田崎先生が噛み砕いて現状を説明し、
俺と対面することとなった。
望は、身体は17歳なのに、幼児のあどけない表情で俺を見つめた。
俺はただただ、望を抱きしめて謝ることしかできなかった。
望みを守ると約束したのに、少しも守ってやれていなかったこと。
佳苗になれと言ったこと。
そして、望をどれほど愛しているかということを伝えた。
しばらくすると、望はやっと俺の腕の中で泣いた。
3歳のあの時の悲しみの分も、その後の14年間の苦しみの分も、
涙が枯れるほど声が枯れるほど大きな声で泣いた。
俺はそれが、とても嬉しかった。
望はそのまま泣き疲れて眠りについてしまった。

その後、田崎先生と神田先生と、そしてショウと話をした。
3歳の望に読み書きをはじめ、生活に必要な情報を与え教育することを
ショウが約束してくれた。
ショウは、望と話ができるらしい。
ただし、佳苗にはまだ秘密にしておくこととなった。
佳苗の意識がある時は、ショウは望を眠らせ自分が望として行動することとした。

宗一郎「ふぅ~」

俺は大きなため息をついてベッドに横になった。
するとドアがノックされる。

宗一郎「佳苗か?どうぞ。」
ショウ「起きてる?あっ、ショウだけど。」

入ってきたのはショウだった。

宗一郎「!?・・・佳苗は?」
ショウ「あぁ、眠っているから大丈夫。本当は俺、自由に出てくることが出来るんだ。
ただ、俺が出ていると、佳苗の記憶が途切れるから、あまり出てこないようにしているだけ。」
宗一郎「そうなのか・・・。でも、佳苗が部屋で起きていれば見えるんだろ?」
ショウ「うん。だから普段は気をつけてね。今は眠らせているから大丈夫。もちろん、望も。」
宗一郎「なぁ、ショウ・・・俺に何か出来ることはないか?」
ショウ「・・・あんたは、今まで通り、望と佳苗を愛していればいい。」
宗一郎「それは、もちろんだが・・・お前は?」
ショウ「おれ?・・・俺は望と佳苗の兄貴って感じ?あんたの分身みたいだな。ははっ」
宗一郎「イヤ、お前は望だ。俺じゃない。だから・・・お前も俺に甘えればいい。」
ショウ「・・・?な、なんでそんなこと言う?」
宗一郎「俺は、お前も愛している。望も佳苗もショウも同じだ。」
ショウ「・・・」
宗一郎「ショウが、今まで望と佳苗を守ってきたんだろ?辛いことにも悲しいことにも耐えて。」
ショウ「・・・」
宗一郎「だから、俺の前ではもっと甘えたらいい。お前も俺の弟なんだからな。」
ショウ「・・・」

ショウは俯いて泣いていた。
今まで、どれだけの苦しみを背負ってきたのかと思うと俺の胸もただただ苦しい。
俺はショウを強く抱きしめた。



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<病院・夕方>
俺は、血が出るほどの勢いで唇を噛み、こぶしを握り締めながらその画面を睨みつけていた。
それは、先日の佳苗の治療の模様をビデオに収めたもので、神田先生から呼び出され病院で、佳苗が語る小学5年生の夏休みの出来ごとを見ていた。
望が出てきたと思われる場面で一旦ビデオは停止された。

神田 「宗一郎君、君も辛いと思うが、これは望君の身に起きた出来事のほんの一部だ。」
宗一郎「一部?まだ、こんなひどいことがあるというのですか?」
田崎 「この後、君にとっても更にショックなことが語られているが、落ち着いて見てほしい。望君自身が自分に起きた様々な出来事と向き合い克服することが一番の解決方法だと思っている。できれば人格の統合をと思っているが、それはまだ次の段階だ。」
宗一郎「・・・わかりました。」

そして再び3人は画面に目を向けた。

田崎 「さぁ、話して。君が知っていることを。」
???「・・・・」
田崎 「君は・・・望君ではないよね?」
???「!?」
田崎 「君は・・・誰?」

俺は驚いて目の前にいる田崎先生に目を向けたが、先生はじっと画面を見ている。

田崎 「君は、いつからそこにいるのかな?」
???「なんで・・・?」
田崎 「君はとても賢いから、たぶん自分でも気づいているんじゃないのかな?」
???「・・・・」
田崎 「いつまでも、このままではいられないと。思春期を迎えて、身体にも変化が現れ、佳苗ちゃんも自分の中で起きている色々なことに気づき始めている。」
???「・・・そうだね。」
田崎 「私は、君たちの手助けをしたいんだ。どうすることが一番いいのかはこれから話し合って考えていこう。だから、まずは今までのことを話してもらえないだろうか?」
???「・・・名前は、ショウ。佳苗と同じ年。いつからここにいるのかはわからない。」

その、ショウと名乗った少年は、望と佳苗を守ることが自分の役目だという。
二人を守る為に、その時々の状況に応じて、相手の望む通りに望や佳苗を演じてきたと。
最初は、母親の美鈴の虐待だったと言う。佳苗を溺愛していた美鈴は二人が喧嘩をしてもいつも叱るのは望だった。それは薄々感じていた俺だが、まさか幼い子供に対して手を挙げていたとは思ってもいなかった。
叱られる恐怖で殻に閉じこもってしまう望に替ってショウは望になりすまし、母親からの
暴力に耐えひたすら謝っていたと。
更に驚いたことに、そのころから既に望の中には佳苗がいて、時々佳苗に入れ替わり日常生活をしていたというのだ。

そして3歳の時に、佳苗が亡くなった。
あの時のショックで、望はそのまま部屋の中で眠りについてしまったのだという。
部屋と言うのは、佳苗も言っていた心の中のことだろう。
その為、望は未だに3歳のままだというのだ。

それからはずっと佳苗が表にでていたが、小学5年生の夏休みの事件でショウがまた出てくることになったのだという。しかし、佳苗はショウの存在を知らないため、望のふりをしてきたのだという。
そして、俺に対しても。
確かに、いつも俺と接しているときと、ビデオの中で話をしている彼とでは印象が違う。
俺の前では望を演じていたのだろう。
すっかり騙されていた。望だとばかり思っていたのだから、かなりショックだ。

神田 「宗一郎君、大丈夫かね?」
宗一郎「・・・はい。」
田崎 「それで、相談なのですが。私は、このショウ君に協力をしてもらい、元の人格である望君を眠りから起こしてもらおうと思うのです。」
宗一郎「そんなことが出来るのですか?」
田崎 「正直、やってみなければわかりません。しかし、佳苗ちゃんは望君の存在を知りません。まずは、望君に目覚めてもらわなければと思うのです。」
宗一郎「そうですね。望の身体ですし、望の人生です。」
田崎 「佳苗ちゃんの人格も、ショウ君の人格も、望君自身です。決して別々ではありません。ショウ君はそこを理解していると思います。ただ、佳苗ちゃんにそれを理解してもらうには、もう少し時間が必要だと思います。」
神田 「佳苗ちゃんは、ずっと自分が表に出て成長してきたからね。その身体が自分の自由にならないとなると、それを受け入れることは難しいと思うのだよ。」
宗一郎「そうですね。」
田崎 「今後の治療で、望君を眠りから起こすことが出来た時には、君にも協力をしてもらいたいと思っています。3歳の望君がどこまでこの状況を理解できるのかまだ未知数なもので。」
宗一郎「わかりました。・・・俺も、望に会いたい・・・です。」



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<病院・昼>
私は、高校1年生の夏休みから、望ちゃんと交換日記を始めました。
そろそろ1年になります。
お兄様に、望ちゃんと向き合ってと言われてから、どうしたら望ちゃんと話をすることができるのかずっと考えていました。
最初は鏡を見ながら自分に話しかけてみたりしました。望ちゃんが起きていればきっと聞こえているはずだと思ったのです。でも、望ちゃんが出てきているときは、私は眠っていることが多くて、なかなかうまくいきませんでした。
そこで、望ちゃんへの伝言をパソコンに残すことにしたのです。
望ちゃんと交換日記をするようになってわかったことが沢山あります。
望ちゃんは、私のことを良く知っていました。今までどんなふうに生活してきたのかとか、どんなことがあったのかだとか、私よりもよく覚えていたりします。

望ちゃんと交換日記を始めたころと、ちょうど同じ時期に神田先生の紹介で、私は田崎先生のカウンセリングを受けはじめました。
最初は、先生に聞かれて学校の話をしたり花柳流の話をしたり、私の子供の頃のことを話したりとおしゃべりをするだけでしたが、次第に脳波をとったり、私とだけではなく望ちゃんとも話がしたいということで催眠療法という治療も受けるようになりました。
催眠療法の治療を受けると、昔のことをつい最近のことのように思い出すことができます。
ほとんど忘れてしまっていたようなことも思い出します。

田崎 「佳苗ちゃん、今日は少し辛いことを思い出してもらわなくてはいけないんだ。」

私は病院のベッドに横になり、催眠療法を受けていました。

田崎 「小学5年生の夏休み、お庭で何があったのかな?」

私は目を閉じて、小学5年生の夏休みのことを思い出そうと集中しました。
その日は裏庭でひとり夏休みの課題である絵を描いていました。
そこに、芳明叔父さまが来たのです。恵理子さんのお父様です。
そして私に、「見せてほしいものがある」と言ったのです。それは何かと聞いたら、叔父さまは「佳苗ちゃんのスカートの中にあるもの」と言いました。
いつもと違う叔父さまの様子に、恐怖を覚え私は逃げ出そうとしました。
けれどすぐにつかまってしまい、後ろから強く抱きしめられました。
激しく抵抗をしましたが、小柄な私が大人の男の人の力に抗えるはずもなく、叔父さまの手はスカートの中に伸びてきて、望ちゃんに触れました。
少し驚いたように、その手の動きは一瞬止まりましたが、すぐに下着を脱がされてしまいました。
ごつごつとした生温かい手に、望ちゃんを弄繰り回され、私は恐怖のあまり声を出すこともできずに震えていました。
すると叔父さまは私の耳もとに顔を寄せると、「佳苗ちゃんはスカートの中にこんなものを隠していたんだね」といって、「にひひっ」といやらしく笑いました。
そして更に強い力で望ちゃんを握りしめて激しく動かします。
私はなんだかおしっこをしたいような変な気分になってきて、後ろから抱きしめられている叔父さまの左腕にしがみつきました。
叔父さまは鼻息を荒くしながらまた、耳元で囁くのです。「佳苗ちゃん、気持ちいいだろ?」
そして私の背中に何か硬いものを押し当てて擦りつけてきます。
私は怖くて気持ち悪いのに、叔父さまの言うとおり気持ちいいような気がして、イヤイヤと首を横に振り続けました。
そうしているうちに、望ちゃんは全身の血液が集まっているように熱くなり、
「叔父さま、おしっこ出ちゃう!出ちゃう」私はそう叫んでいました。
叔父さまは荒い鼻息を私の耳元に吹きかけながら「いいんだよ。出しちゃって。見ていてあげるから」と言いながら更に手の動きを速めたのです。
私は、ただただ首を振りながら助けを求めました。お兄様に、そして望ちゃんに。

すっかり忘れていた出来事を思い出し、田崎先生に話しました。
とっても怖くて嫌だったことですが、それを思い出しながらも今の私はまるで映画でも見ているように気分で、平静です。
しかし、そこから先がどうしても思い出せません。
すると体中の血液がざわざわと動きだしました。
あぁ、望ちゃん?
そう思った瞬間身体の力がふっと抜けて、私は動けなくなりました。

望  「先生!!佳苗ちゃんに思い出させてりしないでって言ったのに!」
田崎 「望君?そうはいかないのだよ。その時のことを、佳苗ちゃんも望君もしっかり思い出さなければならないんだ。」
望  「どうして?」
田崎 「それが現実だからだよ。現実を受け入れなければいけないんだ。」
望  「・・・」
田崎 「さぁ、話して。君が知っていることを。」



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<病院・昼>
佳苗は夏休みに入ってから、ずいぶんと華道に熱中しているようだ。
残念ながら佳苗は花柳流の宗家になることはできない。
このまま、母さんが女の子を産むことができなければ、
いとこが継ぐことになるのかもしれない。
俺にはどうでもいいことだが、佳苗はきっと複雑な心境なのだろう。
そんなある日、俺は花柳家主治医の神田先生に呼び出され病院にいた。

神田 「宗一郎君、今日は暑いところわざわざすまなかったね。」
宗一郎「いえ、電話や家では話せないようなこと・・・ですよね?」
神田 「ははっ。宗一郎君は相変わらず頭がきれるよね。」
宗一郎「佳苗に何か?」
神田 「まぁまぁ。そう焦らずに。ふたつあるのですがね、
ひとつはお父上とお母上のことで。」
宗一郎「はっ?」
神田 「実は先日、お父上から相談がありましてね。・・・」

どうやら親父は、いよいよ母さん相手では勃たなくなってしまったらしく、不妊治療の相
談にきたらしい。
我が家は花柳流を継ぐ者が女子であるため、代々婿養子をとっている。
婿たちの使命は女子を産むための種をまくこと。それさえ真っ当できれば何をしても許さ
れる。しかし、不倫などをして外に子供を作ったりした場合は、即離婚をさせられる。
花柳流の血筋と、後の相続等の心配のためだろう。
余談だが、俺や母さんの弟のように花柳家に生まれた男子は、は結婚する際全ての相続を辞退し、婿養子に出る。相手方の姓を名乗るのほどの徹底ぶりだ。
佳苗が後を継げないことがわかり、叔父さんの娘が、頻繁に我が家を出入りしているが、親父としてはどうにか自分の役目を真っ当したいと考えているのだろう。

神田 「まぁ、それで私の知り合いの産婦人科を紹介したのですが、
後はお母上の説得が難しいということで、宗一郎君にも協力してほしいと言ってましたよ。」
宗一郎「なんだ、親父、そんなこと直接話せばいいのにな。」
神田 「近々、話はあると思いますよ。それと・・・望君のことです。」

神田先生は、我が家の事情を全て知っている。佳苗が本当は望であることも。
そのこともあって、俺もこの先生にはよく相談にのってもらっていた。
とは言っても、大概電話やメールなのでここに来たのは久しぶりなのだが。

神田 「佳苗ちゃんが最近、よくここに来るんですよ。」
宗一郎「あぁ、睡眠薬ですか?」
神田 「まぁ、お薬は依存性の副反応など少ないタイプを出してます。
    宗一郎君から佳苗ちゃんの様子は色々聞いていましたが、最近少し情緒不安定気味ですね。
まぁ、年頃なので色々悩みもあると思うのですが。それよりも・・・」

なんだか、先生の言葉の歯切れが悪い。
一呼吸して、俺の目を見つめる。

神田 「望君のことです。
あの時はまさか、こんな風に望君が佳苗ちゃんになりきってしまうとは思ってもいませんでした。
宗一郎「確かにそうですね。たかが3歳の望に、今日から佳苗になれと言っても
意味が通じるかさえ怪しかった。」
神田 「それに、最初は思い込みというか刷り込みで佳苗ちゃんになりきっているかと思っていたのですが、
人格そのものが佳苗ちゃんになったまま成長していきました。」
宗一郎「はい。正直戸惑いながら見守っていました。」
神田 「しかし、思春期になった頃から、望ちゃんの人格が現れた。」
宗一郎「そう・・・ですね。」
神田 「しかも、最近は頻繁に望君と佳苗ちゃんは人格を交代するようになっていると?」
宗一郎「そうですね・・・望は佳苗が深く眠っているときに現れるようなのですが。」
神田 「前にも話しましたが、私の見解では解離性同一性障害ではないかと思うのですよ。」
宗一郎「確かに・・・どちらも、本当に別人です。表情も話し方もくせも・・・」
神田 「知り合いの精神科の医者に相談したのですよ。もちろん名前等は伏せていますがね。」

神田先生の知り合いの精神科の先生の話によると、やはりその線が濃厚だと言えると。
ただ、その原因としては、やはり3歳の時の佳苗の死と、母親の言葉がキーのはずで、
それなら、3歳の望の人格もいるはずだという。
佳苗と同じように普通に成長した望だけが存在しているのでは、人格が分裂した説明がつかないと。3歳の時の心の傷を請け負った人格がいるのではないかということだ。
その話を聞きながら俺は、あの時の望の何の感情も宿さない蝋人形のような顔を思い出していた・・・。



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<居間・昼>
私は夕べ、お薬を飲んで眠ったのに、途中から目覚めてしまいました。
目が覚めてからは、お兄様と望ちゃんのしていることを、
お部屋からずっと見ていました。
やはり、お兄様は望ちゃんが好きなのです。
わかってはいましたが、キスをしたり愛し合ったりしている姿を
目の前で見ているのは、とても悲しかったのです。
射精をしたあと、お兄様は望ちゃんの身体をきれいにして
抱き合って眠っていました。
私もそのまま眠ってしましましたが、朝起きるとお兄様はいなかったので、
夜中にお部屋にもどられたのだと思います。

私は先日お兄様に言われたことを、ずっと考えていました。
望ちゃんと私はふたりでひとり・・・。

望ちゃんはどうして、出てくるようになったのでしょうか?
ずっと、心の奥深くにある暗いお部屋にいたのに。
望ちゃんがいなければ、お兄様は私一人のものなのに・・・。

美鈴 「佳苗さん・・・佳苗さん!」
佳苗 「はっ!はい。」
美鈴 「どうしたのですか?」
佳苗 「あ、すみません。少し考え事をしていました。」
美鈴 「お教室始まりますよ。しっかりしてくださいね。今日は理恵子さんもいらしてますから。」
佳苗 「はい。わかりました。」

理恵子さんとは、お母様の弟の娘さんで、私と同い年のいとこです。
お兄様が生まれた後、なかなか子供が生まれなかったので、
叔母様が理恵子さんを妊娠した頃、もし女の子だったら花柳家の養女にという話もあったそうです。
しかし、そのすぐ後に、お母様も妊娠をして望ちゃんと私が生まれたのです。
私が女の子だったことで、養女の話はなくなりましたが、
中学の時に私は子供を産むことができないということがわかり、
花柳家を継ぐことが出来なくなりました。
お母様は大変ショックだったようで、それからいつもイライラしているように感じます。
私が花柳家を継げないと分かった頃から、理恵子さんはよくお教室に顔をだすようになりました。
もちろん、理恵子さんも子供のころから花柳流を学んでいましたので、
特に不自然なことは何もありませんでしたが、私に対する態度はだいぶ変わりました。
子供のころから私はなんとなくこの、理恵子さんが苦手だったのです。



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<宗一郎の部屋・夜>
望は寝巻の浴衣を着ていた。下着はつけていない。
昼間、締め付けているから夜はつけていないことも多い。
3歳の時から教えていたので、佳苗も特に抵抗はないようだ。
望をベッドに横たえると浴衣の裾がはらりとめくれる。
むき出しになった白い太ももが艶めかしくて、俺は手の甲で撫であげる。

望  「あぁん・・・」
宗一郎「望はいやらしいな。キスしただけで、こんなにして。」

望のすでに勃ちあがったペニスを掴んでゆっくりと上下させる。

宗一郎「望、舌をだして」
望  「こう?」

その薄くて少し長い舌に吸いついて、自分の口内へ招き入れ転がすと、
望もたどたどしく答えてくる。
俺はそれがとても愛おしくて、今度は更に深く望の口の中に舌を差し込んだ。
どちらからともなく、熱い吐息が漏れる。
望のペニスをしごいていた俺の右手がしっとりと濡れてきて、
くちゅくちゅと音をたて始める。

望  「はぁっ・・・あん。・・・待って、止めて」

望が自分の手で俺の右手を止める。

宗一郎「どうした?嫌なのか?」
望  「違うの・・・俺も、お兄ちゃんにしてあげたい。」
宗一郎「なっ・・・い、いいよ。俺は大丈夫。」
望  「だって、お兄ちゃんも勃ってるでしょ?」

望はそう言って身体を起こし、俺の足もとにまわると、
猫のようにしなやかに四つん這いになって、布越しに俺の股間を撫で、
そして・・・俺を見た。
その潤んだ瞳の上目遣いが、たまらなく可愛い。
するとあっという間に俺の部屋着のズボンとパンツを脱がした。

宗一郎「あっ。」
望  「・・・お兄ちゃんの・・・おっきい。」
宗一郎「ばっ・・ばか。」

望は俺のペニスを口に含んで頭を上下させ、手で睾丸を揉みほぐす。
俺がいつも、望にしていることだ。
やばいな、気持ちいい。俺の鼻息も荒くなってきた。
上半身を少し起こすと、足元にある姿見に俺の顔と、
望の浴衣がまくれ上がってあらわになったお尻が見えた。
背中を反ってお尻を突き出しているので、尻穴が良く見える。
「お兄ちゃんとエッチしたい。」・・・望はそう言った。
それが、どういうことか知りもしないのに・・・。
鏡に映る望の尻穴を見つめながら、いつか親父のアトリエで見た光景を思い出した。
男同士のセックス・・・ぞくりと欲情が身体を走り抜けた。
いやいや、駄目だ。
俺は首を振って、邪念を飛ばした。

宗一郎「望、お尻をこっちに向けて。」
望  「えっ?・・・こう?」
宗一郎「俺の顔を跨いで。」

俺は望の両腿を抱え込み、ペニスを咥えた。
じゅぷじゅぷと音をたてながら、お互いに夢中で舐めあった。

望  「んんっ・・・はぁ・・・はぁ・・・あんっ・・・」

望の息が上がってきた、そろそろイきたいのだろう。
いや、俺もだが・・・。
俺は身体を起こし、四つん這いになっている望のお尻を両手で広げて尻穴を舐めた。

望  「えぇ!?・・・何してるの?」

俺は黙ったまま、その小さなつぼみを舌先を使って押し広げ、少しずつほぐしてみた。

望  「あっ・・はぁん・・・はぁ・・・」
宗一郎「望?俺とセックスするってことは、ここに俺のペニスを入れるってことなんだぞ。」

俺は自分のペニスの先端を、望の尻穴にあてがっって、擦りつけた。
望は、一瞬腰を引いたが、自分から少し腰を揺らしてきた。

望  「いいよ。・・・怖いけど・・・お兄ちゃんとしたいから。」
宗一郎「・・・ばっか!・・・望、・・・足閉じて太ももに力いれてて」

俺は自分のペニスを望の股に差し込み腰を動かし始めた。
そして望のペニスを握ると、腰の動きと合わせてしごく。

望  「お兄ちゃん・・・?」
宗一郎「いきなり、こんなもん突っ込んだら望が壊れちゃうよ。だから・・・」
望  「お兄ちゃん・・・大好き。」
宗一郎「俺もだ。一緒にイこうな。」
望  「うんっ・・・ふぁ・・・気持ちいい・・・」

俺は夢中で腰を振り、望のペニスをしごき、そしてまた、唇を重ねた。
望はシーツを掴んで、それに答える。
俺は望を背中から強く抱きしめる。
愛おしい。

宗一郎「望っ・・・イくぞ・・・」」
望  「あぁ・・・あん・・・あんっ・・・イくぅ・・・」

そいて、俺たちはほぼ同時に果てた。



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<宗一郎の部屋・夜>
佳苗も高校生になり、だいぶ生活の変化にも慣れてきたようだ。
俺は、相変わらず妹の寝込みを襲うようなことを繰り返している。
中学の頃ほどではないが、射精させる時の佳苗の嫌悪感は、相変わらずだった。
俺はいつも、「早く望に出てきてくれ」と願いながら、していた。
時々、望が俺の部屋にやってくるようにもなった。
そんな時は、正直ほっとする。
・・・というか、嬉しいと思う自分の心がいまひとつわからないでいた。
望は自分で出来るから、本当は俺が手伝うこともないのだが、望の自慰する姿は
なんだかエロくて、つい触れたくなってしまうのだ。
思い出したら、したくなってきた・・・。
今夜はエロビデオでもおかずに、自慰しますかね・・・。
最近、全然見てなかったなぁと、ガサガサAVを探して手に取ると、
いきなり入口の扉が開いた。

望  「お兄ちゃん!!」
宗一郎「!?・・・の、望!ど、どうした?」

俺は、慌てて手に持ったAVを棚に戻すと、少しうわずった声で答えた。

望  「どうかした?」
宗一郎「いや、ちょっとびっくりして・・・」
望  「あぁ、ごめんね。」
宗一郎「いいんだ。どうかしたのか?」
望  「ううん。早くお兄ちゃんに会いたくて。」
宗一郎「望・・・・」

俺はそんな望が可愛くて思わずおでこにキスをする。
望がこんな風に部屋に来る時は、佳苗が睡眠導入剤を飲んで眠った時だ。
それも、心配の種ではあるのだが。

宗一郎「佳苗ちゃん、学校で何かあったのか?」
望  「・・・うーん。お友達とエッチの話しになってね~佳苗ちゃんそういうの苦手だから、
なんだか疲れちゃったみたい。」
宗一郎「高1の女子は、そんな話をするのか?」
望  「するみたい」
宗一郎「まったく。望は、その・・・女の子とエッチしたいとか思うのか?」
望  「えぇ?思わないよ~。お兄ちゃんといつもしてるし。」
宗一郎「はぁ?あぁ、そういうエッチじゃなくて・・・セックスのことだ。」
望  「お兄ちゃんにしてもらってるのは、セックスじゃないの?」
宗一郎「ちっ、違うだろっ!・・・自慰、つまりオナニーを手伝ってるだけだ。」
望  「そうなの?春休みにお兄ちゃんが美菜子さんとしてたのと同じでしょ?」
宗一郎「ん?確かに美菜子とはセックスしてたけど・・・」
望  「じゃぁ、セックスじゃん。お兄ちゃん、お口でしてくれるでしょ。」
宗一郎「口でするのは、フェラだ。・・・ん?美菜子とのを見たって最後まで見てないのか?」
望  「美菜子さんがお口でお兄ちゃんのしてて、佳苗ちゃんショックでお部屋に・・・」
宗一郎「あぁ、なるほど。・・・え?じゃ、もしかしてお前たちセックスがどういうものか知らないのか?」
望  「・・・?」
宗一郎「まいったな・・・。じゃぁ、一緒にAV鑑賞でもしてみるか?」
望  「何それ?」
宗一郎「男と女がセックスしている映像」

望とは男同士のせいか、気楽にこんな話も出来る。
佳苗はぐっすり眠っているのだろうから、ちょうどいいだろ。
俺は、さっきみつけたAVをセットして、望とベッドに腰掛けた。
最初は普通に見ていたが、女が服を脱がされ胸をあらわにされて揉みしだかれる頃になると、
望は俺のシャツをぎゅっと握りしめた。興奮しているのだろうとほおっておいたが、
しばらくすると、今度は俺の胸に顔を埋めてきた。

宗一郎「望?どうかしたのか?」
望  「・・・気持ち悪い。」
宗一郎「気持ち悪い?エッチな気分にならない?」
望  「ならない・・・。大きな胸とか・・・女の人の顔が・・気持ち悪い。」

俺は望の股間に手を伸ばした。確かに興奮はしていないようだ。
俺はAVを止めた。

宗一郎「まぁ、いきなりすぎたかな?」
望  「ねぇ・・・男の人とはセックスできないの?」
宗一郎「はあ?男同士ってことか?」
望  「うん・・・。」
宗一郎「出来なくはないだろうけど・・・」
望  「出来るの!?」

望は嬉しそうに俺の顔を見上げてきた。

宗一郎「い、いや・・・俺も、詳しくはわからないけどな・・・」
望  「・・・そうなの?・・・俺・・・お兄ちゃんとセックスしたい。」
宗一郎「!?」
望  「俺、お兄ちゃんが・・・好きだもん。」

うっ。あろうことか俺は嬉しくて股間が反応してしまった。
・・・そうは言っても、そうは言っても・・・駄目だろうそれは・・・。

望  「俺・・・お兄ちゃんのこと考えると・・・ほら、興奮するんだ」

望はそう言って俺の手を自分の股間にあてた。

望  「お兄ちゃんに触ってほしい。」

そして、潤んだ瞳で上目遣いに見られたら・・・俺の理性が・・・。
考えるよりも先に、俺は望の顎に手を添えて唇を重ねていた。

望  「お兄ちゃん・・・」
宗一郎「望、口あけて」

俺は、望の薄い唇を舐めると、口の中に舌を差し入れた。
夢中で舌を躍らせていると望が甘い息を漏らす。

望  「息が・・・でき・・ないよ・・・」
宗一郎「ふっ。・・・鼻でするんだよ」

そしてまた、唇を重ねるとそのまま、そっと望をベッドに押し倒した。



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<遊園地・昼>
お兄様の車で到着すると、遊園地は家族連れやカップルで賑やかでした。
私たちもデートにみえるかな?なんて思ったらちょっと恥ずかしくて顔がほてります。
お兄様は大人だから、とてもスマートにエスコートしてくださって、乗り物に乗ったり
アイスクリームを食べたり、とても楽しい時間があっという間に過ぎていきました。
いつしか、あたりは暗くなり灯りがともり始めました。
すると、ライティングされた観覧車が目を引きました。

佳苗 「お兄様、あの観覧車に乗りたい」
宗一郎「あぁ、綺麗だね。じゃぁ最後にあれに乗って帰ろう」

二人は観覧車に乗りこみました。
小さな密室に、お兄様とふたりきりで私の心臓はドキドキと早鐘のように鳴り響きました。
お兄様に聞こえなければいいけれど。

宗一郎「佳苗、今日は楽しめたかな?」
佳苗 「はい。とっても楽しかったです。」
宗一郎「望ちゃんも一緒に楽しめたかな?」
佳苗 「えっ?」
宗一郎「望ちゃんは、いつもお部屋にいるんだろう?
佳苗ちゃんの目を通して同じものをみているんだよね?」
佳苗 「それは・・・わかりません」
宗一郎「そうか。望は・・・学校にも行っていない・・・友達もいないんだよな・・・。」
佳苗 「・・・」
宗一郎「だけど、生きてる・・・ちゃんと生きてる。」
佳苗 「お・・兄様・・・?」

お兄様は泣いているようでした。
しかし、すぐに外の景色をみながら言いました。

宗一郎「あぁ、夜景がきれいだ。もうこんなに高くまで上がってきたんだね。」
佳苗 「・・・はい。とても綺麗ですね。・・・望ちゃんに見せたいですか?」
宗一郎「えっ?」
佳苗 「お兄様は、私より望ちゃんと観覧車に乗りたかったですか?」

私は、なんだか悲しい気持ちになり、お兄様を困らせるようなことを言っていました。

佳苗 「お兄様は、夜・・・あれをするときも、いつも望ちゃんの名前ばかりを呼びます。
    お兄様は私より、望ちゃんの方が好きなのですか?」

私の頬に大粒の涙がこぼれます。
すると、お兄様は何も言わず私の横に腰掛けました。
重さのバランスが崩れ、ゴンドラがゆらりと動きましたが、私はじっとしていました。
そして、私の頬をつたう涙をお兄様は親指でそっとぬぐうと、大きな手のひらで私の
両頬を包み込みおでことおでこをくっつけました。

宗一郎「不安にさせて、ごめん。だけど、佳苗と望のどちらを好きとか、
どちらも好きとかそういうことではないんだ。」
佳苗 「・・・」
宗一郎「佳苗と望は、ふたりでひとりなのだから・・・」
佳苗 「ふたりで・・・ひとり?」
宗一郎「外を見てご覧。沢山の灯りがあるだろ?その灯りのもとに沢山の人達がいる。
そのたくさんの人達のどの人の心の中にも、色々な感情があるんだ。
一人のこころの中に色々な人がいるみたいなものさ。俺の心の中にも色んな俺がいる。」
佳苗 「お兄様の心の中にも・・・?」
宗一郎「そうさ。佳苗のこころの中の部屋に佳苗と望が別々にいるわけじゃないんだ。」
佳苗 「別々じゃない?」
宗一郎「そう。望も佳苗も一緒にいる。」
佳苗 「一緒に・・・いる?」
宗一郎「だから、ふたりでよく話をしてご覧。絶対できるはずだから。」
佳苗 「望ちゃんと話を・・・?」
宗一郎「ああ。どちらもひとつの心の中にいるんだから、向き合って話をするんだ。
これからどうしていきたいのか。」
佳苗 「これから・・・どうしていきたいのか?」
宗一郎「「このままでは、いられない。佳苗は今のままの佳苗ではいられないんだ。
だから、だから望ちゃんが出てくるようになったのだと思う。
今の佳苗には、これからの佳苗には・・・望が必要だから。」
佳苗 「望ちゃんが必要・・・」
宗一郎「いきなり、難しく考えるな。みんな自分の心と向き合って色々なことを考えるんだ。
佳苗の場合は、望と向き合って話をすることが、自分と向き合うということになるのだから。」
佳苗 「自分と向き合う・・・」

観覧車を降りると、お兄様は車に乗るまで手をつないでいてくださいました。
大きくて暖かい手。
私は、このお兄様の手が大好きです。

それから、車に乗っている時も家について部屋へ戻ってからも私は、
望ちゃんと話しをするには、どうしたら良いのか、ずっと考えていました。



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<佳苗の部屋・朝>
目覚めると、目の前に大きな壁がありました。
身体にも重みが・・・?
私は、寝ぼけた頭を整理しながらゆっくりと頭を起こして、驚きました。
私のベッドにお兄様が寝ている!?
私・・・お兄様の腕枕で寝ていたの?
慌てて元の体制に戻ると、お兄様の腕にすっぽりと抱きしめられていました。
心臓がドキドキしました。
そして、頭の中を一気に回転させて、夕べのことを思い出そうとしました。

佳苗 「夕べは・・・夕べは・・・あっ!お薬飲んで寝たんだ。」
宗一郎「・・・んん?・・・望・・・?」

うわぁ。お兄様寝ぼけて抱きしめてきました。
望ちゃんと一緒に寝たのかしら?・・・でも、どうして?

宗一郎「・・・あぁ、朝か・・・」
佳苗 「お兄様、おはようございます。」
宗一郎「!?」

お兄様は私の声に驚いて飛び起きました。

宗一郎「かっ・・・佳苗?」
佳苗 「はい。」
宗一郎「ん?・・・あっ、夕べ望と話ていて、そのまま眠ってしまったのか?」
佳苗 「そう・・・みたいですね。」
宗一郎「すまん。・・・その、佳苗は夕べのことは?」
佳苗 「覚えていません。ぐっすり眠ってしまったみたいで。」
宗一郎「そっ、そうか。・・・身体の調子はどうだ?」
佳苗 「?・・・身体・・・ですか?普通・・・ですけど・・・」

あっ、でも少しすっきりしているみたい。よく眠れたからかしら?

宗一郎「そうか。よかった。」
佳苗 「変なお兄様。望ちゃんとお話できたんですね?」
宗一郎「あぁ。できたよ。」
佳苗 「良かったですね。」

本当にお兄様、嬉しそう。
なんだか、心の中に黒いもやもやが広がっていく。
夕べ、きっと望ちゃんとあれもしのだと思うと、いつもはそれが嫌で仕方がないのに、
なぜか心がチクッと痛くなったのです。

宗一郎「なぁ、佳苗。」
佳苗 「はい。」
宗一郎「今日は、何か予定があるか?」
佳苗 「いいえ。特にありませんけど・・・。」
宗一郎「じゃぁ、遊園地にでも行こうか?」
佳苗 「えぇ!?本当ですか?」
宗一郎「あぁ。高校生になったら何かと忙しくなるだろうし、その前にいいだろ。」
佳苗 「はい!すぐに支度をします。」
宗一郎「俺も着替える。用意出来たら呼びに来てくれ。」

そう言って、お兄様は部屋を出て行きました。
お兄様と遊園地だなんて、何年ぶりでしょう。
私は嬉しくて心が弾みました。
どんな服を着て行こうか、少し色のついたリップをつけようとか・・・
ドキドキして、さきほどの黒いもやもやは、どこかへいってしまいました。



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<佳苗の部屋・夜>
俺は、望に会えたことが嬉しくて、何度も抱きしめては頬におでこに髪にとキスをした。

宗一郎「望・・・ごめんな。俺のせいでこんなことに・・・」
望  「どうしたの?」
宗一郎「・・・絶対、守るから。」
望  「お兄ちゃん・・・?」
宗一郎「望に会えて・・・嬉しいんだ。」
望  「お兄ちゃん・・・俺も、嬉しい!」

望は首に手を回して抱きついてきた。
俺は望の髪を撫で、そのままゆっくりとベッドに押し倒す。
そして、パジャマのボタンをはずしていく。

宗一郎「嫌じゃ・・・ない?」
望  「うん。・・・ドキドキするけど・・・嬉しい」

俺はあらわになった望の胸の突起を指でつまみながら耳元で囁いた。

宗一郎「気持ちいいところ・・・教えて。」
望  「あっ・・・うん。」

耳たぶを軽く噛み、首筋に唇を這わせると望の息が荒くなってきた。
そして、胸の突起を舌で転がす。

望  「あんっ・・・胸、なんだか・・・ビリビリして変な感じ・・・」
宗一郎「こっちまで、響く感じ?」

俺はそう言うと、望のペニスを布越しに掴んで、そっと撫でた。

望  「ふうんっ・・・はぁ・・・」

望の足もとに回ると、パジャマと下着を一気に脱がせた。
もう、見なれたはずのそこだが、なんだか今夜はいつもよりいやらしく見える。
すっかり立ち上がっているその先端を指で開いて舌先で舐めた。

望  「いやぁんっ!・・・あぁ・・・」

更に舌の表面で、亀頭を舐めると、望は身体をビクビックと反応させている。

宗一郎「どう?気持ちいい?」
望  「はぁ・・・うん・・・気持ちいい・・・」
宗一郎「なぁ、自分でしてみて。」
望  「えっ?」
宗一郎「望も・・・できない?」
望  「でき・・・る・・・恥ずかしいけど・・・」

そう言って、望は自分のペニスを握り、しごき始める。
俺は、望の両足を広げてその様子をみながら・・・興奮していた。

宗一郎「望・・・いやらしいな。」
望  「はぁ・・・ふぅ・・・いわな・・・い・・で・・・」

恥ずかしがりながらも、くちゅくちゅと音を立てて、その手の動きは速度を増していく。

宗一郎「乳首も触ってごらん。」
望  「うん・・・はぁっ!・・・あぁ・・・・」

そして俺は右手で望の袋を揉みほぐし、左手は望の手の上からペニスを握りしめて
上下させた。

望  「あぁんっ・・・それ、だめ~あぁ・・・イっちゃうんっ・・・」

望は身体をのけぞらして、達した。身体はビクンビクンと痙攣している。

宗一郎「望・・・可愛いよ。」

俺は、望の口の端に光る唾液を舌で舐めると、そっと口づけをした。



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<佳苗の部屋・夜>
美菜子に女心とやらを聞いて、少しは突破口が見えてきたような気がしていた。
もちろん、まだ答えは見つからない。
尋常ではない抵抗を繰り返す佳苗を押さえこんでことを済ませるのは、
・・・やはり気が重い。
その夜も、手錠と目隠しを持って佳苗の部屋へ向かった。
起こさないように静かにドアを開けると、電気がついている。

宗一郎「佳苗・・・・?まだ、起きていたのか?」

ベッドの上で片足をたてて後ろ向きに座っていた佳苗は、ゆっくりと振り返った。

宗一郎「・・・?」

佳苗・・・じゃ・・・ない。
佳苗と良く似たその少年は、俺の顔を見ると、駆け寄ってきて抱きついた。

???「お兄ちゃん!!」
宗一郎「・・・の・・望かっ!?」
望  「うんっ!」

俺は、細いその肩をぎゅうっと抱きしめた。

宗一郎「望っ!会いたかった!」

望の両頬を挟んで上を向かせ、顔を覗き込む。望だ!間違いなく望だ。

宗一郎「どうして?」
望  「それが・・・よく、わからないんだ。」

俺は望の肩を抱いて、ベッドに腰掛けた。

宗一郎「佳苗ちゃんは?」
望  「それが、今夜は佳苗ちゃん、睡眠薬を飲んで寝たんだ。
宗一郎「睡眠薬!?」
望  「あっ、ちゃんと神田先生に処方してもらったやつだよ。」
宗一郎「そうか。びっくりした。でも、どうして?」
望  「うん。昨日、お兄ちゃんと美菜子さんのエッチ見てショックだったみたい。」
宗一郎「!?・・・はぁ?」
望  「俺もショックだったけど・・・」
宗一郎「すまん。・・・俺もちょっと溜まってて・・・」
望  「まぁ、俺はなんとなくわかるけど・・・佳苗ちゃんはね・・・」
宗一郎「・・・だよな。でも、睡眠薬なんて飲んで寝たら望だって眠ってしまうんじゃないのか?」
望  「そうでもないみたい。佳苗ちゃんが眠っている時の方が、出てこれること多いし。」
宗一郎「それなんだが。その、どっちが出てくるとかってどうやって決まるんだ?」
望  「ええ?・・・わからない。俺はいつも部屋にいて、何かのきっかけで押し出されるみたいなんだ。」
宗一郎「押し出される?自分の意志では出てこられないのか?」
望  「うん。・・・たぶん、佳苗ちゃんが部屋に入りたくなると俺を押し出すんじゃないかと思うんだけど・・・」
宗一郎「じゃぁ、佳苗ちゃんの意志?」
望  「ん~、そうでもないかなぁ。例えば今夜は、どうしても佳苗ちゃんはお兄ちゃんと会いたくなくて
睡眠薬を飲んで眠った。そしたら俺が代わりに出てきた。みたいな?」
宗一郎「・・・。最初に望が出てきたのはいつだ?」
望  「中2の夏休みに、眠っていたらお兄ちゃんが『望~望~』って言いながら、キスしてきた時。」
宗一郎「はぁ?そんなこと・・・あぁ!酔っぱらって佳苗の部屋へ言った時か?」
望  「うん。たぶん。佳苗ちゃん疲れてぐっすり眠ってて、
お兄ちゃんにキスされたから俺ビックリして・・・気づいたら、身体が動いて・・・」
宗一郎「なるほど・・・。眠り姫みたいだな。
なぁ、望から佳苗に話しかけることは出来ないのか?」
望  「・・・話したことはない。」
宗一郎「今度、話してみてくれないか?本当は、お前たちは別々じゃないんだ。」
望  「別々じゃない?」
宗一郎「そう。ふたりでひとり。だから、きっと話もできるはずだ。」
望  「うん・・・わかった。」
宗一郎「・・・今度、佳苗ちゃんにも言ってみるから。」



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<宗一郎の部屋・昼>
???「宗ちゃん!そーうちゃーん!」
宗一郎「・・・!?」

俺はいつの間にか眠ってしまっていたようだ。
まぶたを開くと目の前に美菜子の顔があった。

宗一郎「うわぁ!美菜子!びっくりするだろ。」
美菜子「びっくりするだろう・・・じゃないわよ!人を呼びつけておいて昼寝とは
ずいぶん良い御身分ですこと!」
宗一郎「あぁ、そうだった。すまん。でも芝さんには言っておいたから上がれただろ?」
美菜子「ええ。芝さんも私のこと覚えていてくれたみたいで。ますますお綺麗になって・・・
   とか、言われちゃった。」
宗一郎「ははっ、さすが花柳家は使用人のしつけもしっかりしているな。」
美菜子「おいっ!しかも人ん家みたいな言い方。相変わらずね。」

美菜子は学生時代の元カノ。今まで付き合った彼女の中では一番長く続いたし気も合う。
お互い相手がいないときはたまに会って、セックスしちゃったりする仲だ。

美菜子「ところで、どうしたのよ?久しぶりじゃない?しかも家に来いってめずらしい」
宗一郎「あぁ、外に出るのが面倒だった。」
美菜子「・・・まったく、重ね重ね失礼な奴だな。・・・なんだか元気ないね。」
宗一郎「ん~女心がわからなくてね~」
美菜子「はぁ!?あんた昔から女心なんてわからなかったじゃない。
いまさら何を・・・」
宗一郎「そうなんだがな・・・。」
美菜子「あぁ!わかった!佳苗ちゃんでしょ?」
宗一郎「!?・・・お前、相変わらず感がいいな。」
美菜子「やっぱり。まさか、佳苗ちゃんに彼氏ができてショックとか?」
宗一郎「はっ!?そんなわけあるか!佳苗に彼氏なんかできてない。」
美菜子「おいおい、重症だな。可愛い可愛い妹だって、いつかは大人になるんだぞ」
宗一郎「うるさいっ。」
美菜子「まったく。昔から佳苗、佳苗だったもんね~。まぁ私は平気だったけど、
結構それで彼女にふられたんじゃないの?」
宗一郎「・・・おれの話はいいんだ。佳苗の女心。」
美菜子「はいはい。・・・佳苗ちゃん、今度、高校生?」
宗一郎「そう。」
美菜子「結構、難しい時期よね~。・・・わかった!
お兄様のパンツと一緒にお洗濯なんてしないで!とか言われてショックなんでしょ?」
宗一郎「・・・。だから、なんなんだよそれ。そんなこと佳苗が言うか!」
美菜子「言うわよ~。中学・高校くらいのちょうど思春期の女の子って、大人の男の人が不潔に見えるのよ。」
宗一郎「不潔だ?失礼だな。毎日風呂には入ってるぞ。」
美菜子「ははっ。そういうことじゃなくて。セックスのこととか知った時期とかってさ。
大人のペニスとか、そういう行為とかが気持ち悪いとか汚いとかって思っちゃたりするの。
だから身近な大人・・・つまり父親とか兄とかに嫌悪感みたいなものが向けられるってわけ。
    特に佳苗ちゃんみたいに純粋で箱入りなら余計だよ。」
宗一郎「・・・そう・・・なのか?」
美菜子「うん。まぁ、そのうち恋して好きな男できて、セックスするようになれば、自然に治る・・・
というか戻るよ。だって、好きな男のチンチンしごいたり舐めたりするんだからさ。」
宗一郎「おまっ!!何言ってるんだ!」
美菜子「お兄ちゃんとしては、可愛い妹のそんなとこ想像もしたくないだろうけどさ。
でも、現実よ」

美菜子の話は、やけに説得力があった。
大人の男のペニスに対しての嫌悪感が、佳苗の場合、父親や兄ではなく・・・自分に
向けられるということか・・・?
しかし、佳苗に好きな男ができたとして・・・セックスは、無理だろう・・・。
それなら、佳苗は何をきっかけに、その嫌悪感から解放されるのだ・・・?

美菜子「おーい!どこにいってるんだぁー?」
宗一郎「!?」
美菜子「目の前のいい女ほったらかして、心は佳苗ちゃんのところか?まったく失礼だよ。」
宗一郎「ははっ。お前は本当に、いい女だな。」
美菜子「・・・下心、見えますけど?」
宗一郎「あれ?・・・まったく感のいい奴。」
美菜子「・・・してないの?最近・・・」
宗一郎「とんと、ご無沙汰だね・・・」
美菜子「じゃぁ、お疲れ気味のお兄様にご奉仕させていただきますわ。」

そう言って美菜子は、ベッドに腰掛けていた俺を押し倒した。
ジーンズのボタンをはずし、ファスナーを下ろすと、少し誇張したペニスを布越しに
なでまわした。
俺は待ち切れず、自分でジーンズとパンツを脱いで美菜子の口へ差し込んだ。
美菜子はベッドの下に膝をつき、手を添えてペニスをじゅぷじゅぷと舐め上げる。
俺は、後ろに手をつき上半身を少し起こして、そんな美菜子の顔を眺めた。
佳苗はいつもこんな視線で俺を見ているのか?いや、俺の顔を見る余裕はないか・・・?
こんなに気持ちいいのに・・・何が嫌なのだろう?
どうしたら、佳苗はこの行為を受けいれることができるようになるのだろう?
・・・そんなことを考えていたが、快楽に思考がついていかなくなってきた。
おれは美菜子の頭を両手で押さえると、腰を振ってビクビクと波打つペニスを
喉の奥まで出し入れした。
人にしてもらうのは、本当に久しぶりだ。
予測しない手や舌の動きに思わず吐息が漏れる。
あぁ、こんな快楽を望にも教えてあげたい・・・ん?望に?
いや、佳苗に・・・?あっ・・・望に・・・
俺の頭の中は快楽に支配されて混乱していた。

そして、まさか開けられたままのドアの向こうから佳苗に目撃されていたとは・・・
まったく気付いていなかった。



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<宗一郎の部屋・昼>
あれから1年半。佳苗は中学を卒業した。
祖父の経営する私立校でエスカレーターなので、特に受験があるわけでもなく
普通に春休みを迎えていた。
彼女の華道家としての腕前は、目を見張るほどの成長ぶりで母さんは少し複雑な様子だ。
そして、なかなか妊娠の兆候もない。
俺は、やはり佳苗と同じ学校の大学院を卒業しても尚、研究員という名目で大学に残っている。
教員免許も取っているし、教師になってもよかったのだが、
佳苗のことでいつ何があるかわからないので、今のまま、自由な身でいたいというのが理由だった。
とはいえ、いつまでもこんなこともしていられないのだが・・・。

月に3、4日は、夜中に佳苗の部屋に行き、射精させる日々を続けていた。
眠っていれば、少しは抵抗も弱まるかと思ったのだが、やはり途中で目を覚ましてしまうことが多く、
なかなかうまくいかない。
目隠しをしたり、手錠をかけたりして、どうにかことを済ませていたが、
正直俺は疲れきっていた。
どうやら、佳苗の中には望と佳苗の人格があるように思える。
正確には、望の中に佳苗の人格ができて、佳苗として生活をしているということだろう。
佳苗は、自慰に対してかなりの嫌悪感があるように思える。
何度繰り返しても慣れることもない、あの抵抗ぶりは少し異常だ。
そして、射精の前には必ず望と交代する。射精まで精神力が続かないのか?
望は、やはり男の子だ。自慰に対しても興味もあるようだ。
ただ、望でいる時間はとても短く、射精後は疲労感からか、すぐに眠りについてしまうため、
望と話をするのは難しい。
望と佳苗について、望からももっと話を聞いてみたいのだが、なかなかうまくいかない。
俺は、様々な文献を読み漁ったが、どうしたらよいのか答えは見つからないでいた。

この春から佳苗は高校生だ。
そろそろ恋をしたりもするだろう。だが、その恋が成就するのは難しいだろうな。
そして、望は・・・?
俺は、俺のせいで、心の奥深くに閉じ込められてしまった望に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
望はずっと何を思っていたのだろうか?そしてなぜ、この時期になって姿を現すようになったのだろうか?
いつしか俺は、望のことを考えて過ごす時間が増えていた。



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<佳苗の部屋・夜>
お兄様の手で射精したあの夜から1週間。
あれから、私はそのことを思い出すと胸がドキドキして身体が熱くなってしまうのです。
今夜もベッドに横になって本を読んでいたけれど、
お兄様の暖かくて大きな手の感触を思い出してしまって、
身体が熱くなりドキドキが止まらなくて、とても物語に集中できそうもありません。
本を横に置いてうつ伏せになると・・・ん?ちょっと違和感。
望ちゃんに手を伸ばすと、そこは少し大きく、そして熱くなっていました。
どうしよう?
ちょうどその時、ドアがノックされました。

宗一郎「佳苗?起きてるか?」
佳苗 「あっ。はい。起きてます」

私は慌てて起き上がりベッドに腰掛けるといつも一緒に寝ているお人形を抱えて
望ちゃんを隠しました。
すると同時に、お兄様が部屋に入ってきました。

宗一郎「なんだ、もう寝るところだったか?」
佳苗 「あっ、はい。でも眠れそうもなくて」
宗一郎「そうか。じゃぁ少し話をしてもいいかな?」
佳苗 「はい。」

お兄様は私の横に腰掛けました。

宗一郎「その・・・なんだ、その後、望ちゃんはどうだ?」
佳苗 「あっ・・・えっと・・・」
宗一郎「大人しくしてる?」
佳苗 「それが・・・」

私は、お人形をどかして下を向きました。

宗一郎「やっぱり・・・もう、1週間だからな。」
佳苗 「・・・?」
宗一郎「思春期の男の子なら、2、3日に1回くらい出さないと溜まるんだよ」

そういうと、お兄様は私を抱きしめました。

宗一郎「ごめんな。・・・やっぱり、俺が間違っていたのかな・・・」
佳苗 「どうしてお兄様が謝るのですが?」
宗一郎「今、佳苗がこんな風に苦しい思いをするのも・・・そして望が・・・」
佳苗 「望ちゃんが?」
宗一郎「・・・ちょっと、横になろう。少し聞きたいことがあるんだ」

お兄様はそう言うと、私をベッドに寝かせ、お兄様も横になり腕枕をしてくれました。
そして、右手で私の髪を撫でるとこめかみにキスをするのです。
私はドキドキしてしまって、心臓が口から飛び出すかと思いました。
そして、その手を望ちゃんの上にそっと置きました。

佳苗 「あっ。」

でも、その手を動かすことはせずに、暖かいお兄様のぬくもりをじっと感じていました。

宗一郎「この間のことは覚えている?」
佳苗 「はい。覚えています」
宗一郎「イったとき・・・射精した時のことは?」
佳苗 「その時は、見ていただけです。望ちゃんが射精するところを。」
宗一郎「・・・?見ていた?」
佳苗 「はい。あの・・・恥ずかしくて、初めての刺激というか、そういうのに耐えられなくて、
気を失ってしまったみたいで・・・気づいたら、私はお部屋でお人形になっていて、
望ちゃんがお兄様の・・・手の中で射精をしていました。」
宗一郎「そう言えば、この間もその、
お人形みたいに動けなくなって望ちゃんが起きてくるって言っていたよね?
どういうことか、詳しく教えてもらえないかな?」
佳苗 「望ちゃんはいつもお部屋にいるんですけど、最近・・・
夏休みに入った頃から時々出てくるようになったみたで・・・」
宗一郎「みたい?」
佳苗 「みたい・・・っていうのは、いつも私がお部屋で眠っている時だから、
望ちゃんが何をしているかわからないんです。
でも、起きていれば、のぞみちゃんが何をしているのか見ることはできます。
その、この間の夜みたいに・・・。
でも、そういう時は、私は身体が動かなくなってしまうから、
お部屋で見ているしかできなくなってしまうんです。」
宗一郎「その、お部屋っていうのは、この部屋ってことじゃないんだよね?」
佳苗 「はい・・・違います。」
宗一郎「望ちゃんは・・・いつから、そのお部屋にいたの?」
佳苗 「・・・わからない。たぶん、ずっと・・・子供のころからいたと思います。」
宗一郎「望ちゃんとは、話はできるの?」
佳苗 「できないと思います。・・・したことないので・・・。」
宗一郎「・・・そうか。・・・じゃぁ、佳苗ちゃんがそのお部屋で眠っている時なら
    射精したりしても、佳苗ちゃんは辛くないのかな?」
佳苗 「・・・?たぶん・・・眠っていればわからないから」
宗一郎「じゃぁ、これからは佳苗ちゃんが寝ているときに、してあげようか?」

お兄様はそう言って、のぞみちゃんを撫で始めました。

佳苗 「はぁん・・・んんっ・・・」
宗一郎「でも、今夜は出してしまわないとね。
眠れないかもしれないけどお部屋でお人形になれたら、
望ちゃんが出てきてくれるかな?」
佳苗 「あっ・・・で、でも、どうしたら望ちゃんが出てきてくれるのか・・・
    はあっ・・・ん・・わからないの・・・あんっ」
宗一郎「うん。わかった。・・・お休みMY DOLL」

お兄様は、私の耳元でそう言うと、パジャマのズボンを脱がせました。



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<アトリエ・夜>
親父のアトリエには、やはり灯りがついていた。
近づくと話し声が聞こえる。
開いている窓の隙間からなかを覗き込んで、俺は息を飲んだ。

少年 「せ・・・先生、もう・・・もう我慢できません。」
孝司 「まだだ。絵が完成するまで、我慢しなさい。」

親父は、俺よりも年下と思える少年の身体を机にくくりつけ、手足の自由を奪い
その身体に絵を描いている。
こちらからは、どんな絵なのかわからないが、親父の絵筆が少年の肌の上を滑るたび
少年は身体を震わせ、ペニスがびくんびくんと波打っている。

少年 「あぁ・・・あぁ・・・先生・・・はぁ・・・もうっ」

親父は、絵筆を置き棚から小さなベルトのようなものを持ってくると
それを少年のペニスの根元に付けた。

孝司 「これで射精できないから、もう少し我慢して。
お利口にできたら後でご褒美をあげよう。」

親父はそう言って、また絵筆を持ち、少年の胸や腕やふとももに絵を描いていく。

少年 「んんっ・・・ふぅ・・・ふぅ・・・・はぁん・・・」

親父の絵筆が身体をなぞるたびに少年の吐息が聞こえる。
そして、その絵筆がペニスにまで及ぶ。そこにも絵を描くのか・・・。

少年 「先生っ!ああんっ!」

少年は身体をそり、達したように見えるが射精はしていないようだ。

孝司 「ほら、あまりイくと、ここを堰き止めているから辛くなるよ」

そして、両足首を机に拘束していた足かせのようなものをはずすと、
今度は両膝の上あたりに別のベルトのようなものをつけて机に拘束する。
少年は膝を曲げて両足を大きくひらかされた。
俺のいるところから、少年の肛門がよく見える。

少年 「はぁん・・・先生、恥ずかしいです。」
孝司 「恥ずかしい?・・・こんなにひくつかせておいて?」

そう言って、少年の肛門を絵筆なぞっていたかと思うと、つぷんっと差し込んだ。

少年 「あっ!」
孝司 「さぁ、これで準備はできた。」

そう言うと、少年の身体を色々な方面から見ている。
自分で描いた絵を確認しているようだ。
少年の息は荒く、肛門に差し込まれた絵筆の先が上下している。
親父が少年相手にこんなサディスティックなことをしているとは驚いた。
ボディペインティングなのだろうが、こんな作品発表もできないだろうに。
芸術家の気持ちはよくわからん。
今夜は相談するのは無理だな。と帰ろうとしたが、
その足を思わず止めてしまった。

少年 「せん・・せい・・・はぁ。欲しいです・・・」
孝司 「何が欲しいのか?」
少年 「先生の・・・先生のチ●ポ・・・」

おいおい、何をする気だ?
親父は浴衣の前を開くと、そそり立つペニスを少年の口に差し込む。
少年は、美味しそうに飲み込んだ。
親父は手を伸ばし少年の肛門に刺さった絵筆を抜くと、
今度は指を差し込み出し入れする。
少年の息はますます上がり、親父のペニスをじゅぷじゅぷと舐め上げる。

少年 「んんっ!・・・あぁ・・・もう、もう入れてください。」
孝司 「おねだりが上手になったな。ご褒美だ。」

親父はそう言うと、少年の口からペニスを抜き取り、
回り込んで少年の肛門に一気に差し込んだ。

少年 「あぁぁぁぁぁぁんっ!」

少年は、じらされていたせいか、親父のペニスを飲みこむと達したようだ。

孝司 「ほら、そんなにイくと、血管が浮き出てきたぞ」
少年 「もう、出したいっ・・・射精したいです。」
孝司 「それなら、しっかり腰を使って俺を満足させないと。」

ちょうど二人の結合部分が良く見える。
少年は腰を前後に動かし、親父も打ち付けるようにピストン運動をしている。
なんなんだ。これは?
セックス・・・だよな?
親父は拘束していた少年の足を更に開脚する。
そして俺は、えらく興奮している自分に気付いた。

少年 「あんっ・・あぁん・・・・はんっ・・・」
孝司 「ほら啼け!もっと啼け!」
少年 「んっ・・・イきたい・・・はぁん!・・うんんっ・・」
孝司 「はずすぞ」

親父は少年のペニスを締め付けていたベルトを外すと、
少年のペニスを握り上下に動かす。
ほぼ、同時に少年は勢いよく射精する。
親父はその飛び散る精子を少年の胸や腕や顔にむける。

少年 「あぁん・・・止まらない・・・・はぁん!気持ちイイっ・・・」
孝司 「んっ」

そして親父も少年の胸や腕や顔に向けて射精する。
ビクンビクンと身体を痙攣させている少年を見ながら親父は満足そうだ。

孝司 「今夜も、良い作品が完成したよ」

俺は、踵を返しそのまま静かに自分の部屋に戻った。



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<宗一郎の部屋・夜>
俺は佳苗が初めて夢精をした夜、自慰を教えようと試みたが
想像以上の抵抗にあって、かなりショックを受けていた。
色白で小柄な佳苗はどうみてもまだ子供で、下の毛もほとんど生えていない。
そんな彼女が、長い黒髪を振り乱し、泣き叫ぶのを強引に抑えつけて射精させた。
まるで、妹をレイプしているようで、自分が犯罪者にでもなった気分だ。
佳苗は頭では理解をしているようだが、
身体の反応と自分の気持ちがうまく連動しないといった感じだろうか?
そのため、射精するまで自分の手でペニスを刺激することは不可能と思えた。
それと・・・どうにも理解できないことが起きた。
射精したあと、佳苗は俺を「お兄ちゃん」と言った。
小さい頃から俺をお兄ちゃんと呼ぶのは望だけだった。
それに、あの表情は佳苗ではなかったように思える。
いったいどういうことなのだ?
俺は、混乱していた。

俺は、佳苗の自慰のことも含めて親父に相談してみようと思い立った。
どうせ、あの人は母さんの排卵日前後以外の夜はアトリエに籠りっきりだ。
起きているだろう。
あれから、親父は母さんを気遣いながらも後継ぎを生んでもらうために努力しているようだったが、
佳苗がいるからと母さんはあまり乗り気ではなかったらしい。
しかし、年頃になっても生理が始まらない佳苗を心配して、
佳苗が中学1年生の時に、病院に連れていくと騒ぎ出した。
そのため主治医が知り合いの婦人科医に、佳苗は妊娠できない身体であると診断書を書かせた。
佳苗は無卵子症ということになっているらしい。
まあ、当たらずもなんとやらだが。
母さんもそろそろ、子供を産める年齢としてはぎりぎりと思われるし、
花柳家もそういう意味ではかなり危機でもあるのだ。
花柳家の婿は、女の子が生まれない限り解放されることはない。まるで種馬のようだ。
親父もストレスがたまるだろうな。などと心配になる。

さてと、俺は腰をあげると、家の敷地内の離れたところにある親父のアトリエに向かった。



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<佳苗の部屋・夜>
私が初めて、夢精ということを経験した夜。
お兄様は、男の子の身体について詳しく説明してくださいました。
そして、夢精をしてしまわないように、定期的に自慰をする必要があると言います。
とても、ショックでした。でも、受け入れるしかないのだと決心しました。
私は女の子だけれど、胸も大きくならないし生理もない。
そして身体の中心には望ちゃんがいて・・・
だから、男の子の望ちゃんのお世話は私がする。
だけれども、その行為は私にとって、とても受け入れがたいものでした。

お兄様は私をベッドに寝かせると隣に横になりました。
私はパジャマを汚してしまったので、寝巻の浴衣を着ていましたが、
お兄様はその裾を左右に開き、望ちゃんをあらわにすると、
大きな手で触れてきました。

佳苗 「はぁん・・・」

自分のものとは思えない声が勝手に口から出てしまいます。
お兄様の手が触れている場所に全身の神経が集中しているかのように
指が動くたび、身体がビクビクと反応してしまうのです。

宗一郎「ほら、もう、少し勃っているよ。触ってごらん」

お兄様は私の手をとって、望ちゃんを握らせました。
それは、お風呂やおトイレで触れる望ちゃんとはまったく違うものでした。
私は驚いて手を離し、お兄様にしがみつきました。

宗一郎「大丈夫。女の子だってもう少し大人になれば、好きな人のここに触れるんだよ。
    それに、これは望ちゃんなんだから、何も怖いことはない。」

お兄様はそう言って、また私の手をそこに導き握らせると、
私の手の上から更に握りしめて、ゆっくりと動かし始めます。
すると、身体がヒクヒクと反応し熱くなってゆくのです。

宗一郎「望・・・望の気持ちいいところを刺激してみて・・・」
お兄様は片手で私の髪を撫で、耳元で囁きながら、
もう一方の手は更に動きを速めます。
私はその刺激に体中が粟立ち、どんどん大きくなっていく望ちゃんに恐怖を感じて
身体が硬直し、何も考えられなくなってしまうのです。

佳苗 「いや、いやーーーー!やめて!」

私は懇願しますが、お兄様は一向にやめてはくれません。
暴れて力いっぱい抵抗する私の腕をとり、
寝巻の紐をほどいて両手首を縛りベッドにくくりつけます。

宗一郎「こんな途中でやめたら、お前の身体が壊れてしまう。
    今日は俺がしてあげるから、大人しくしていて」

お兄様は私の耳元でそう言うと、今度は近くにあったタオルで私の口を塞ぎ、
バタバタと暴れていた脚の上に馬乗りになり押さえこまれてしまいました。
そして、望ちゃんを、まるでアイスキャンディーを食べるように舐め始めたのです。
私は、イヤイヤと首を振りますが、お兄様は更にじゅぷりと口の中に咥えこんでしまいました。
じゅぷっじゅぷっと、音を立てて刺激し続けます。

佳苗 「んんんっ・・・・んんっ・・・」

それが、とっても嫌で涙が出てくるのに、身体はまるで自分のものではないかのように
ビクビクと刺激に反応してしまうのです。
そして、体中の血液がざわざわと動いたかと思った瞬間、意識が途切れてしまいました。

くちゅっきゅっ・・・くちゅっ・・・くちゅくちゅ・・・

宗一郎「のぞみ・・・のぞみ、感じて・・・気持ちよくなって・・・」
望  「はぁん!あっぁつ・・・ふぅんっ!!」

気づくと私の身体は動かなくなり、お人形のようになっていました。
そして望ちゃんは、先ほどお兄様が話してくれた射精というものをしていました。

望  「お・・・にい・・・ちゃん」
宗一郎「・・・?のぞみ・・・?」
望  「お兄ちゃん・・・あり・・・がと・・う」
宗一郎「望なのか!?」

望ちゃんは頷くと眠りに落ちました。
そして私も、そのまま眠ってしまったのです。



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<佳苗の部屋・夜>
しかし・・・やはり、俺の恐れていたことがやってきた。
それは、佳苗が14歳の夏の夜だった。

佳苗 「きゃー!!いやぁー!あぁ、助けて!!」

静まり返った夜更けに佳苗の悲鳴が響いた。
俺が急いで佳苗の部屋に駆けつけると、佳苗はベッドに横になったまま泣いていた。

宗一郎「どうした?」
佳苗 「お、お兄様・・・望ちゃんが、望ちゃんが・・・」

佳苗はしゃくりあげながら、掛け布団を剥いだ。
俺は、それを見てすべてを承知した。
そして間もなく、佳苗の悲鳴を聞きつけた両親や使用人が佳苗の部屋にやってきたが、
怖い夢を見ただけだと言って納得させ、部屋から追い出した。
ふたりきりになると、佳苗の身体をきれいにし、着替えをさせ、
俺はベッドに腰掛け佳苗の肩を抱き寄せた。

宗一郎「佳苗。よく聞いてくれ。・・・それは夢精というものだ。」

それから俺は、男性の性について、なるべく卑猥に聞こえないように、
医学的方面から、まるで保健体育の授業のように説明をした。
佳苗は黙ってそれを聞いていた。
ひととおり説明をしたあと、本題に入る前に少しリラックスさせようと
佳苗に聞いてみた。

宗一郎「佳苗は学校で好きな子とかいるの?」
佳苗 「好きな子なんていないわ。学校の子なんてみんな子供みたいだし。」
宗一郎「そうか。好きな芸能人とかは?」
佳苗 「ん~特にはいないかな。」
宗一郎「佳苗はエッチなことって考えたことない?」
佳苗 「ええー?ありません。」

佳苗は顔を赤らめて首を振る。
性行為についての知識はあるらしい。
中学2年生くらいの男の子ならエッチなことばかり考えてそうだけどな。
女の子はそんなこともないのか。佳苗は箱入りだしな・・・。
とはいえ、佳苗の身体は男の子だ。
これは生理現象なのだから、どうしたものか俺は悩んだ。

宗一郎「佳苗はさっき、どんな夢を見ていたか覚えている?」
佳苗 「さっき・・・?」
宗一郎「そう。さっき。」
佳苗 「お兄様の夢・・・」
宗一郎「え?俺の夢?」
佳苗 「お兄様と、望ちゃんと3人でお風呂に入っている夢・・・」
宗一郎「・・・・・」

俺は、言葉を失った。
どういうことだ?佳苗は俺と望の夢でなぜ夢精をしたのだ?
俺は混乱した。

佳苗 「お兄様?」
宗一郎「ん?あ、ああ。そ、そうか」
佳苗 「望ちゃんが、エッチなこと考えていたのかしら?」
宗一郎「え?」
佳苗 「最近、夜になると私はお人形みたいに動けなくなって、望ちゃんが起きてくるの」
宗一郎「・・・?」
佳苗 「私も眠ってしまうと、望ちゃんが何をしているのかわからないから」
宗一郎「のぞみちゃんって・・・ここにいる望ちゃん?」

俺はそう言って、佳苗の股間を寝巻の浴衣の上から触った。

佳苗 「あっ・・・」

勃起・・・している?
さっきの夢精で精液を出し切っていないのか、それとも敏感になっているのか・・・?
佳苗は自分の口から出た声に慌てて、両手で口を塞いだ。
・・・さて、本題だ。



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<居間・夜>
俺は、自分のしていることが、望にとって本当に良いことなのかどうかわからなかった。
とにかく、母さんの精神状態が落ち着くまで、望に佳苗のふりをさせておこうと思った。
これ以上、母親の言葉で望が傷つけられるのを見たくなかったのだ。

佳苗の、いや望の葬儀は身内だけで密葬ということにした。
ただ、流石に花柳流の家元の子供が亡くなったということで、
各方面から問い合わせが殺到したり、密葬と告げても参列する人達も多かった。
黒いワンピースを着て黒いリボンを付けた佳苗は、
葬儀の間もずっと無表情で何も見ていなかった。
その彼女の小さな手を、俺はずっと握りしめていた。
そんな俺たちの姿は、参列者達の涙を誘っていたようだ。

葬儀も終わり、家の中には家族だけになって、ずいぶん静かだった。
すると突然、俺の膝の上に乗っていた佳苗は立ち上がり、
憔悴しきった母親のもとへ近寄ると、話しかけた。

佳苗 「おかあちゃま。望ちゃんのお花、綺麗でちたね。」
美鈴 「・・・?」
佳苗 「おかあちゃまが生けたお花でちゅ。」
美鈴 「あ・・あぁ。ありがとう。佳苗ちゃん」

そう言って美鈴は佳苗を抱きしめた。
望が・・・佳苗になった望がいったどんな気持ちでそう言ったのか俺には知る由もない。
たった3歳の、小さな胸の内は、何もわからなかったが、
それから望は、完璧に佳苗になっていった。

祖父は、自分が経営する学校に、慌てて幼稚園も付属として作り、
佳苗の秘密を守りながら成長を見守った。

俺は毎日佳苗と一緒にお風呂に入っていたが、それがなかったら
この子は本当に佳苗なのではないかと思ってしまうほど、
望の面影すら、そこにはなかった。
望の中でいったい何が起きて、なぜ佳苗がここにいるのか・・・
まったくわからないまま、佳苗は成長していった。



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