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響瑠

Author:響瑠
ここに書かれている日記は
<妄想>です。
実在する地名・人名・団体名が登場しても、それは偶然ですので、まったく関係ありません。
また、ここに記されている内容はオリジナルですので
著作権は作者にあります。勝手に使用しないでくださいね。
【18禁表現を含みます】


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真っ白な光に包まれると、ふわりと身体が軽くなって意識を失った。

どれくらいの時間が過ぎたのだろう?
気がつくとあたりはすっかり明るくなっていた。まわりを見渡すと、そこはあの向日葵畑だ。でもなんだか少し様子が違う気がする。

何が違うんだろう?

理由のわからない違和感だけを感じながら首を傾げていると、猫の鳴き声が聞こえてきた。

「ヨネ子?」

背の高い向日葵をかき分けて鳴き声のする方へ歩き出すとすぐに道路へ出た。そして俺はその景色に絶句した。道を挟んだ向こう側も、俺の家があったはずの場所も、祖父母の家があったはずの場所も、すべて向日葵畑になっている。

どうなってるんだ・・・?

ただ呆然と立ち尽くす俺の足下にヨネ子がすり寄ってきた。そしてスタスタ歩き出すヨネ子に慌てて後を追った。祖父母の家があった辺りを通り過ぎて暫く歩くと、遠くに黒っぽい服を着た男の背中が二つ並んでいるのが見える。近づいていくと話し声が聞こえてきた。

「颯太。・・・遅くなってごめんな。」
「良介君・・・」
「颯太。あの日、ここでずっと待っていてくれたんだろ?それなのに俺。本当にごめん。怒ってる・・・よな?」
「颯太は喜んでいるはずだよ。やっと良介君に会えたのだから。」

俺は全身が凍り付いたように身動きひとつできなかった。

「今朝早く警察から連絡があってね。やっと見つかったって。あれから3年も経ってしまった。変わり果てた颯太と対面するよりも、君には・・・この場所に来て欲しかったんだ。」
「あの日・・・俺が颯太を呼び出していれば・・・こんなところにひとりぼっちで・・・。」
「君のせいじゃない。天災だったんだ。それに・・・颯太はひとりじゃない。じいちゃんも、ばあちゃんも、・・・うちのも一緒だ。そしてヨネ子も・・・。」

急に蝉の鳴き声が大きく聞こえてきて、俺はあの日のことを全て思い出していた。

「夕べ颯太の夢を見たんです。今まで一度も見たことなかったのに。・・・颯太は怒ってなかった・・・。すごくリアルな夢で、俺・・・やっと自分の気持ちを伝えられたんです。」

そうか・・・。
良介は、「好きだった」って言った。良介の言葉が全部過去形だったのは、時間が・・・進んでいたからだったのか。

俺は一気に身体の力が抜けて思わず口元がゆるんだ。

よかった・・・良介は生きてた。

頬を静かに暖かいものが伝う。

「おじさん・・・?」
「私もね、家族も家も何もかも失って、どうやって生きていけば良いのかわからなくて、何も手に着かないような日々を過ごしてきたけれど、・・・もう3年だ。こうして颯太がやっと見つかって、ようやく前に進めそうだよ。きっと颯太もそれを望んでいるのだと思う。だから君も・・・」

声が震えて言葉が途切れた。空を見上げる父親の背中は、昔より少し小さくなったように見える。

父さんの泣く姿を初めてみた。親不孝だな・・・俺。

蝉の声を伴奏にして、どこからともなく歌声が聞こえてきた。透き通るような声で歌うこの曲は、どこか懐かしくて聞き覚えがある。気づくと小さな手が俺の手を握っていた。

「ヨネ子・・・?」

そこには、子供の頃、あの向日葵畑で出会った白いワンピースを着た少女が立っていた。

「一緒に歌う?」
「・・・そうだな。」

俺はゆっくりと頷いた。

父さん、ありがとう。これからの人生が幸せでありますように・・・。
良介、大好きだったよ。良介と出会えて俺は幸せだった。

踵を返して、ヨネ子と手を繋ぎ歩き出す。向日葵畑の向こうで、じいちゃんとばあちゃんと、母さんが手を振っている。

・・・やっと俺の時間も動きだしたみたいだ。


Fin




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そんなわけない。
そんなわけないけれど、目の前で少し泣きそうな顔で俺を見ているそいつは、この3年間、会いたくて会いたくて仕方なかった良介の形をしている。ついさっき夢にまでみた良介の。
俺は次の言葉が見つからず、ぽかんと口を開けてその顔を見つめていた。

「颯太。・・・遅くなってごめんな。」
「良介・・・なのか?」

懐かしい、優しくて低い声。良介の声だ。俺の耳元で囁いた時みたいな少しかすれた声。いや、でもそんなはずはない。だって良介はあの日・・・。

「颯太。あの日、ここでずっと待っていてくれたんだろ?それなのに俺。本当にごめん。怒ってる・・・よな?」
「怒って・・・ない。」
「俺、颯太がひとりで東京に行くって聞いてショックだったんだ。しかも何も相談してくれなかったことに腹が立って・・・」
「うん・・・。俺こそごめん。」

何がどうなっているのかわからないけど、目の前に居るのはやっぱり良介だ。あの日何があったかなんて、もうそんなことはどうでもいい。夢だろうと奇跡だろうと、今目の前に居るのは良介だ。今こそ、伝えなきゃ。もう後悔はしたくない。

「良介・・・。俺、あの日どうしても良介に言いたかったことがあったんだ。」
「うん。」
「俺・・・良介のことが好きなんだ。・・・その、友達としてではなくて・・・。」

良介は何も言わない。俺は良介の顔を見るのが怖くてうつむいたまま話を続けた。

「だから・・その、良介に知られたくなくて・・・怖くて逃げようとした。それで、ひとりで東京に行くことを決めたんだ。でも・・・それをなかなか良介に言えなくて・・・」
「バカ颯太。」
「えっ?」

思わず顔を上げると、ふわっと抱きしめられた。

あ、良介の匂いだ・・・。

「俺も颯太が好きだった。」

俺は驚いて顔を上げようとしたが、ぎゅっと抱きしめられて身動きができない。良介は俺の耳元で更に言葉を続けた。

「ずっとだ。俺なんてずっと。物心ついたときから颯太のことが好きだったんだぞ。もっと早く気づけよ。まったく。」
「うっ・・うそだ。気づくかよ、そんなこと。」
「そういうとこ。颯太は鈍過ぎるんだよ。好きでもないのに、男同士であんなことするかよ普通。考えればわかるだろ。」
「で、でもあれは・・・」
「颯太も同じ気持ちなんだと思ってた。・・・それなのに、いつまでたってもキスさせてくれないし。」
「だって・・・そんなことしちゃったらもう俺、止めらんないと思って。」
「・・・うん。わかってた。それも可愛いなって思ったから、颯太がその気になってくれるまで気長に待とうって思ってたんだ・・・。」

良介の腕の力が少し緩んだ。おれは顔を上げて良介を見た。泣いてる・・・?

「りょう・・すけ?」
「・・・ごめんな。」
「な、なにが?」
「・・・颯太のせいじゃない。・・・俺も逃げてた。颯太から打ち明けてくれるのを待つとか自分に言い訳して・・・自分から言えなかった。・・・本当は、ただ怖かったんだ。」
「良介・・・」

まさか良介も俺と同じ気持ちだったなんて。いつも自信満々の良介が、こんな風に不安な気持ちを抱えながら俺のことを想っていてくれたなんて、想像もしていなかった。

「良介、好きだ。・・・あの日、言えなかったけど俺、良介のことが好きだ。」
「うん。俺も・・・颯太の事が・・・好きだったよ。」

良介が俺の髪を優しく撫でた手であごをとらえた。そしてその太い親指で唇をなぞる。

「颯太。キス・・・していい?」
「・・・うん。」

良介の唇が軽くチュッと俺の薄い唇に触れて離れた。そして今度は強く唇を押しつけてきたかと思ったら舌先で歯列を割って奥まで入ってきた。厚みがあるのに少し冷たいその舌が俺の口腔内で別の生き物のように動き回る。

「んんっ・・・」

思わず鼻から声が漏れた。

「颯太・・・ずっと・・・こうしたかった・・・」

良介は唇を重ねたまま息をするように囁く。俺だって本当は、ずっとこうしたかった。そう言いたかったが、声にならない。時折唇を軽く噛んだりしながら舌の動きは更に激しくなり、頭の芯まで痺れてきて真っ白な光に包まれていく。俺は遠のいていく意識に抵抗するように良介の背中に回した手に力を入れた。

良介・・・大好きだ。




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ヨネ子は昼間見た時よりもだいぶ元気そうに、ツンとすました顔で、飛び起きた俺をじっと見ている。俺は夢の余韻にまだ少しドキドキしていて、膨らんだ股間に軽く手を乗せてため息をついた。当時良介とよく一緒に寝ていた布団で寝たせいか、だいぶ生々しい夢を見てしまったようだ。

「にゃぁー」

すたすたと部屋の扉の前まで歩いて立ち止まり、ヨネ子が俺を呼ぶので、布団から出てついて行くことにした。ヨネ子は器用に階段を降りて玄関の前で振り返った。

なんだ、外に出たいのか?

サンダルを履いて外に出ると、目の前には一面の星空が広がっていて、思わず目を奪われた。都会ではこんなに大きな空と沢山の星は見られない。しかも最近は夜空を見上げることすらしていなかったことに気づいた。

物心ついたときから、いつでもどんな時でも隣には良介がいたのに、この3年間はずっとひとりぼっちだった。たったひとりで東京に出て、初めての一人暮らし。知っている人が誰もいない街、良介のいない学校・・・。
良介からもこの街からも逃げ出した結果、目的もなく孤独を抱えて、ただ時間を無駄に過ごしていただけだ。

何もかもを包み込むような星空に見とれていると、ヨネ子を見失ってしまった。慌てて庭を出ると、すぐそこあるのは、大好きな太陽が見えずしょんぼりしている向日葵たち。

「にゃぁ~」

向日葵畑の中からヨネ子の鳴き声が聞こえた。

「ヨネ子?」

俺はおそるおそる畑の中に踏み込む。人工の灯りは道沿いに転々とある外灯のみで、月や星の灯りを足しても足下は真っ暗だ。すると微かな歌声が聞こえてきた。・・・

この歌なんだっけ?

前にも聞いたことがある。声の聞こえる方に近づいて行くと、自分が向日葵をかき分ける音とは別に、こちらに近づいてくる音が聞こえる。

こんな夜中に誰かいるのか?

俺は身構えて身体を硬くしたが、ふいに少し広く土の見える場所に出た。何かの気配を感じて顔を上げると、目の前に人が立っている。

「えっ!?・・・りょ・・う・・すけ・・・?」




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ふたりが身体をつなげる行為をすることになったきっかけも「顔見ながら二人で気持ち良くなれる方法がある」という良介の好奇心からくる提案からだった。
どこから仕入れてきたのか、前立腺というところを刺激すると気持ちいいとか、ちゃんと準備すれば汚れないからとか・・・。
最初はふたりで一緒にその準備とやらをやってみたり、お互いの気持ちいいところを探してみたりしたのだが、俺が下手で良介が鈍感なのか、良介が上手くて俺が敏感なのか、試行錯誤の結果、俺が猫とやらにさせられてしまった。
もちろん、そう簡単に良介のデカち○こが、するっと入るわけもなく、それが気持ち良くなるまでには数ヶ月かかったけれど。
それでも高3の夏には、それが気持ちよくて良介からせがまれるキスを躱すことが難しいほどになっていた。


夏休みに入ってから良介は家の手伝いで忙しかったし、俺も隣町の塾の夏期講習に通ったりして受験勉強に専念していたので、ほとんど会うこともなかった。
そんなある日、珍しく良介から電話があった。
当時、田舎暮らしの俺たちに携帯なんて必要なかったので家電だ。

「颯太!どういうつもりなんだよっ!」

楽天的で温和な良介には珍しく、声を荒げてすごい剣幕だった。

「なっなに?」
「何じゃねーよっ!東京行くってどういうことだって言ってんだよっ!」
「あっ・・・」

今日こそは今日こそはと、良介に東京の大学に行くことを打ち明けるタイミングを先延ばしにしているうちに、どこからか聞きつけてしまったらしい。

「あ、良介にはちゃんと、その、話そうと思ってたんだ。・・・けど、良介忙しそうだし・・・」
「そういう問題じゃねーだろっ!」
「そ、そうだけど・・・」
「いいっ!今から行くから!」
「あっ、じゃじゃぁ、向日葵畑で待って・・・る。」

俺の言葉を聞き終わらないうちに、電話はガチャンと切れた。

俺は良介に話すことを先送りにしていたことを心から悔やんだ。俺からではない他の誰かから俺のことを聞くことはどれほど良介の心を傷つけたことか。
そして俺は、ここまできてやっと自分の気持ちを良介に打ち明ける決心をしたのだった。


だけどあの日、向日葵畑でどんなに待っても良介は来なかった・・・。



ぐちゅんぐちゅんと嫌らしい水音を聞きながら俺は良介の背中に腕をまわしてしがみついていた。激しく腰を打ち付けながら良介のそれは俺の中のイイところに確実に刺激している。俺は足の指に力をいれながら、すぐにも達してしまいそうな高ぶりをこらえていた。

「はぁ・・んんっ・・・・あっ・・あぁ・・・・」

こらえてもそこを刺激されるたびに甘い声が漏れる。もう、限界だと思った瞬間、良介の動きが急に止まった。

「はぁはぁ・・・颯太・・・」

良介の指が髪をかき上げるように滑り込んできて両手で頭を挟み込む。おでこをつけて鼻を擦りつけながら俺の名前を呼ぶ。

「はぁ・・ふっ・・・ふう・・・・・ん?」

まぶたを開くとまっすぐに俺を見つめる良介の瞳があまりにも間近にあって少し驚いた。
その瞳は、何か言いたげに俺を見つめたまま動かない。けれど、良介は次の言葉をいつまでたっても発しない。イク寸前で止められた俺の身体は次の刺激を欲して腰が勝手に揺れてしまう。

「ん?・・・・どう・・した?・・・・良介?」

良介は突然俺の頬をざらざらとした舌で舐め始めた。ざらりざらりと舌の感触を頬に感じる。

「なっ?・・・なに?・・・どうした?良介?」

その違和感に俺は飛び起きた。

飛び起きた?・・・寝ていた?・・・夢?・・・夢なのか?

「にゃぁ~」

枕元には、ヨネ子が座っていた。どうやら、ヨネ子に頬を舐められていたらしい。




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祖父のおしゃべりをBGMに、軽トラに揺られてやっと向日葵畑が見えてきた。
そこには沢山の思い出があって、楽しかったことも多いはずなのに、今はただ胸が苦しくて思わず目を逸らした。
祖父母宅に着くと、祖母が俺の好きなものばかりを食卓に並べて待っていてくれた。

「颯ちゃん、久しぶりやね~。元気にしとったの?」
「うん。・・・元気だよ。」
「少しはゆっくりしていけるん?」
「そうだね・・・。」

東京の大学に行ってから、あまり帰ることはなかったし、帰ってきてもいつもとんぼ返りで、この町で長い時間を過ごすことはほとんどなかった。

ヨネ子は縁側の定位置で丸くなっている。近づくとゆっくりと目を開いて俺を見たが、少し目を細めてまた閉じた。その横に腰を下ろして頭から背中をそっと撫でた。皮の下はすぐに骨だ。だいぶ痩せたな。

「なぁ、ヨネ子。俺、あの日向日葵畑で良介にちゃんと話そうって思ってたんだ・・・。」



高3の夏、俺はもう自分の気持ちに気がついていた。良介のことを、友達としてだけではなく、恋愛感情で好きなんだということに。
だけど、その気持ちをどうしても良介には知られたくなかった。もし知られてしまったらきっともう、いまのままではいられない。良介の隣にいることも出来なくなってしまう。良介を失いたくない。
ただただ、知られないために必死だった・・・。
そのために、告白してくれた女の子と付き合ったりもしていた。もちろん長続きなどしなかったけれど。


「はぁ・・・はぁ・・・キス・・・してぇなぁ・・・」
「はぁ・・ふぅ・・・だっから・・んんっ・・そういうんはっ・・・彼女と・・しろって・・・」

俺は自分で言った言葉に傷つく。
良介はセッ○スをしているとき、やたらキスをしたがる。だけど俺はキスまでしてしまったらもう、自分の気持ちを隠しきれないとわかっていた。とにかく頑なに拒んだ。

「ふぅ・・・彼女はいらん。面倒なっ・・だけ・・で・・・」

良介が時々女の人と遊んでるのは知っていた。同級生とかじゃなくて先輩とか、どこで知り合ったのかずいぶん年上の女の人だったりしたけど、やっぱり長続きはしていなかった。付き合ってるっていうよりはセフレって感じだったのかな。
俺がやきもちを焼いていたことも、良介が俺がいいって言ってくれることにドキドキしていたことも、良介は知らない。

「んっ・・・セッ○スだって・・・颯太の方が気持ちいいしな・・・」
「セッ○スって言うな。・・・俺とのは違うだろっ・・・・あっ!・・あぁんんっ・・そこ・・・やめっ・・・」
「ほらな・・はぁはぁ・・・・可愛い・・・」
「ばっ・・か・・あぅ・・・」

だからこんなことを言われたらそれだけで・・・

「あっあっあぁ・・・りょうっ・・・すっけ・・あぁ・・イクっ・・・・」
「はっはぁはぁ・・・んっ・・・おれもっ・・んんっ・・・・」

そのころ俺たちがしていたのは、男同士のセッ○スだった。それはわかっていたけど、俺はそうじゃないって思い込もうとしていたし、良介にもそう言い続けていた。
それを認めてしまったらもう止められないとわかっていたから。

「颯太はなんでそんなにキスしたくないん?減るわけでもないしな、キスしたらもっと気持ちよくなると思うけどなぁ。」
「・・・そ、それは・・・俺らホモやないからなっ」

テレビでは、オネェタレントとか同性が好きだとかを公表する人とかいて、そういうのもあるんだって知ってはいたけど、こんな田舎町でそんなことがバレたら本人どころか家族、一族までもがこの町に居られなくなる。
家族も、良介も巻き込みたくなかった。これは俺の問題で、俺が良介を好きになってしまったことが問題なだけなのだから。

このままいつまでも、ずるずると良介との身体の関係を続けていくことは、誰にとっても良くない。良介にとっては、気持ちいいことをしたいっていう好奇心がエスカレートしただけのことだ。
女の子とするより俺とする方がいいって言ってくれるけど、それはずっとふたりでこんなことをしてきたのだから当たり前なんだ。お互いの気持ちいいところを知っているのだから。ただそれだけのことだ。良介はこれから恋人を作って結婚して、俺よりも長く一緒に居る女性が現れたらもう、こんなこと言わなくなる。俺とのこんな関係はなくなる。

俺は、良介と距離をとろうと決心した。文字通り距離。ひとりで東京の大学に行くことを決めていた。





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