<佳苗の部屋・朝>
目覚めると、目の前に大きな壁がありました。
身体にも重みが・・・?
私は、寝ぼけた頭を整理しながらゆっくりと頭を起こして、驚きました。
私のベッドにお兄様が寝ている!?
私・・・お兄様の腕枕で寝ていたの?
慌てて元の体制に戻ると、お兄様の腕にすっぽりと抱きしめられていました。
心臓がドキドキしました。
そして、頭の中を一気に回転させて、夕べのことを思い出そうとしました。
佳苗 「夕べは・・・夕べは・・・あっ!お薬飲んで寝たんだ。」
宗一郎「・・・んん?・・・望・・・?」
うわぁ。お兄様寝ぼけて抱きしめてきました。
望ちゃんと一緒に寝たのかしら?・・・でも、どうして?
宗一郎「・・・あぁ、朝か・・・」
佳苗 「お兄様、おはようございます。」
宗一郎「!?」
お兄様は私の声に驚いて飛び起きました。
宗一郎「かっ・・・佳苗?」
佳苗 「はい。」
宗一郎「ん?・・・あっ、夕べ望と話ていて、そのまま眠ってしまったのか?」
佳苗 「そう・・・みたいですね。」
宗一郎「すまん。・・・その、佳苗は夕べのことは?」
佳苗 「覚えていません。ぐっすり眠ってしまったみたいで。」
宗一郎「そっ、そうか。・・・身体の調子はどうだ?」
佳苗 「?・・・身体・・・ですか?普通・・・ですけど・・・」
あっ、でも少しすっきりしているみたい。よく眠れたからかしら?
宗一郎「そうか。よかった。」
佳苗 「変なお兄様。望ちゃんとお話できたんですね?」
宗一郎「あぁ。できたよ。」
佳苗 「良かったですね。」
本当にお兄様、嬉しそう。
なんだか、心の中に黒いもやもやが広がっていく。
夕べ、きっと望ちゃんとあれもしのだと思うと、いつもはそれが嫌で仕方がないのに、
なぜか心がチクッと痛くなったのです。
宗一郎「なぁ、佳苗。」
佳苗 「はい。」
宗一郎「今日は、何か予定があるか?」
佳苗 「いいえ。特にありませんけど・・・。」
宗一郎「じゃぁ、遊園地にでも行こうか?」
佳苗 「えぇ!?本当ですか?」
宗一郎「あぁ。高校生になったら何かと忙しくなるだろうし、その前にいいだろ。」
佳苗 「はい!すぐに支度をします。」
宗一郎「俺も着替える。用意出来たら呼びに来てくれ。」
そう言って、お兄様は部屋を出て行きました。
お兄様と遊園地だなんて、何年ぶりでしょう。
私は嬉しくて心が弾みました。
どんな服を着て行こうか、少し色のついたリップをつけようとか・・・
ドキドキして、さきほどの黒いもやもやは、どこかへいってしまいました。
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