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響瑠

Author:響瑠
ここに書かれている日記は
<妄想>です。
実在する地名・人名・団体名が登場しても、それは偶然ですので、まったく関係ありません。
また、ここに記されている内容はオリジナルですので
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『まだ見ぬ景色』を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

2014年1月に、「純愛で長編」を書きたいなと思いスタートさせました。
純愛のつもりが割と早い段階でエロが出てきたり、最初の頃と最後の頃では書き方が変わってしまったりしましたが、最初の予定通り約100話前後で内容もほぼプロット通りに完成させることができました。
ただ、期間は半年を予定していたにもかかわらず、丸3年もかかってしまいました。
いろいろ事情があったのではありますが、それにしても長かったです。
途中何ヶ月も空いてしまうことがあり、挫折しそうになったこともありましたが、それでも読んでくださっている方がいらっしゃるということが、来場者カウンターや拍手で確認することができ、大変励みになりました。

皆様、あきらめずに最後まで応援していただき、本当にありがとうございました。


さて、次は何を書こうかなと思案中です。
今度はファンタジーでも書いてみたいなって思うのですが、それはまた長編になってしまいそうなので、とりあえず短めのを何作か書こうかと思います。
「まだ見ぬ景色」の別冊や、「青い季節」「楽園」の続編なども考えています。
また、よろしければ読みに来てください。




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光  「・・・はんっ・・奥・・あかん・・・」

光は、大きなベッドに仰向けに横たわる紫苑の胸の上に跨がって後ろに手をつき、腰を少し浮かしている。紫苑から光の秘孔が丸見えのM字開脚状態だ。更にそこを紫苑が指で押し開いている。

光  「しおん・・・これ・・恥ずかしい・・・」
紫苑 「足閉じないで。久しぶりだからちゃんとほぐさないと。ね?」
光  「んっ・・・な、なんでこんな格好やねん。」
紫苑 「足を怪我してるから横になってていいって言ったの光さんですよ?」
光  「そ、そうやけど・・」
紫苑 「もっとお尻、こっちにきて。」

紫苑は光の小さなお尻を両手で包むようにして自分の鼻先まで引き寄せた。舌先で目の前の蕾をつつき、唾液を染みこませるように音を立てて何度も舐める。
光は恥ずかしさで顔を上気させるが、両手は自分の身体を支えるために塞がっていて、それ以上抵抗することもできずにいると、紫苑の指が、つぷんっと入ってきた。

光 「あっ!・・・んんっ・・・」

紫苑は光が逃げられないように両腕で足を抱え込みながら、そこを執拗に攻める。少しずつ少しずつ押し広げて左手の人差し指と中指を奥まで差し込んだ。ぐりっと指を回転させると少し硬い場所に当たる。

光  「んなぁ・・やぁ・・そこ・・・んっ・・あぁ・・あかん・・」

鼻に抜ける甘えた声で喘ぐ光だが、その腹の上では硬直したペニスの先端から密を溢れさせている。

紫苑 「ここ?」
光  「イ・・あんっ・・・あかん・・・あぁ・・・んん・・・・」

紫苑はその甘い声をもっと聴きたくて、光のイイところをピンポイントで攻め立てる。

光  「あぁぁん・・しお・・んっ・・いやや・・しおんがぁ・・ほし・・いんっ・・」

『あぁ、もう!なんなんだこの人は。可愛いすぎ。』

紫苑のそこも既に硬度を取り戻し、先走りが流れ出ていた。光の中にあった指をゆっくり引き出し、ヒクヒクと痙攣している入り口を何度かなぞる。

紫苑 「光さん、自分でできる?」

激しい刺激から解放された光は、最初意味がわからなかったのか、小首を傾げてから頷いて、ゆっくり腰の位置を移動させた。紫苑は自分のものを片手で持ち垂直に立たせ、もう片方の手で光の手を絡め取る。

紫苑 「ゆっくり腰を下ろして。・・・そう、上手。」

光は自分の入り口に紫苑の先端を合わせると、ゆっくり体重をかけて受け入れていく。

光  「あっ・んっ・・はぁ・・しおんがぁ・・はい・・ってくる・・ふぅ・おっ・・きぃ・・んぁ・・。」

『だからもう、そういう言葉責めやめてください。』

紫苑が焦れて腰を突き上げ、ずぷりっと一気に奥まで突き刺した。

光  「あっ!」

その瞬間、光のペニスの先端からはぴゅっと白い液体が放出される。

紫苑 「んんっ・・入れただけなのに、出ちゃいましたね?」
光  「・・・はんっ・・奥・・あかん・・・」
紫苑 「光さん中、すっごく熱くて気持ちいいです。」
光  「・・紫苑のも・・・熱い・・で・・」
紫苑 「動けますか?」

光はコクリっと頷くと腰を何度か上下させるが、快感で溶けそうになっている状態ではもう足に力が入らない。紫苑もこの体制で突き上げるには足首に負担がかかるので、光を抱き寄せてくるりと横転しそのまま組敷いた。
光の両足を大きく開き、腰を使って奥を深く深く何度も突く。そのたび光の甘い声が漏れる。

光  「ああんっ・・あんっ・・・そこっ・・あかんっ・・ん・・あぁ・・・」
紫苑 「はぁ・・光さ・んっ・・もっと開いて・・・奥まで・・受け入れて・・・」
光  「んぁぁっ・・好きや・・しおんっ・・好きっ・・あぁぁ・・あんっ・・」

紫苑は足首の痛みを感じたが、高揚感と幸福感に押されて腰の動きを止めることなど出来ない。光は紫苑の首に両手を回して抱きつくと、その耳元で何度も「好き」と喘いだ。

『そんな言葉で、そんな声で啼かれたら我慢できませんよ。』

紫苑は光に口づけて舌を絡めると、光の奥深くに吐精した。

紫苑 「んっ。・・・俺も、好きですよ・・はぁはぁ・・」
光  「あぁ!んんんっ・・・」

光は自分の中で熱く弾けた紫苑を受け止め、びくんびくんっと何度も身体を痙攣させながら達し、そのまま眠りに落ちた。
そして紫苑も光を抱きしめたまま夢の中へ旅だった。

長い長い一日を過ごし、疲れ果てているはずのふたりだが、とても穏やかで幸せそうな表情だ。




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紫苑 「はっ・・・光さん・・・もう・・離れて・・・んくっ・・・」


Lumie`re (リュミエール)デビューライブの夜、身体は極限近くまで疲れているというのに、ふたりはアドレナリンが出まくっていてとても眠れる状態ではなかった。怪我をしている紫苑も声を使い切った光も酒を飲むわけにもいかず、リビングで見るともなしに流れてくるミュージックビデオに視線を向け寛いでいた。
ハーブティーを飲んでいる紫苑の足の間で、そのソファーを背もたれにしてあぐらをかいていた光が、突然くるりと振り返り膝立ちになって紫苑を見上げた。

光  「なぁ、紫苑。セックスせーへん?」
紫苑 「ぶはっ!」

突然の光からのストレートなお誘いに、紫苑は驚いて飲みかけていたハーブティーを吹き出した。

紫苑 「うわぁ、すみません。」

吹き出したハーブティーは光の顔面を直撃していた。

『顔射っぽい・・エロっ。』

疲れているせいなのか、ライブのために暫くお預けだったせいなのか、紫苑も発情していないわけはない。ただ、光の身体を考えて我慢をしていたのだ。それなのに、その努力を知ってか知らずか、珍しく光から誘ってきたのである。いつも平常心の紫苑もさすがに虚を突かれないわけがなかった。

光  「ええよ。ハーブティーやし、お肌つるつるになりそうやん。」

光はそう言って舌なめずりをすると、長袖Tシャツの袖で顔をぬぐった。まるで猫が顔を洗う様な仕草に、紫苑はたまらずその両手首をつかんで光のほほを舐めた。

紫苑 「そんなエロい顔して誘っちゃって。ちゃんと責任とってくださいよ?」
光  「おう。紫苑は足が痛いんやから、そこ座っとって。今日は俺がする。」

光は立ち上がると紫苑の足の間に片膝で立ち、両手で紫苑の両ほほを包んで唇を重ねる。薄い唇と舌で啄むように食む可愛らしい口づけに、紫苑は少しじれったくも感じたが「俺がする」という光に身をゆだねてみようと思った。
光の白く細い指先は紫苑の頬から首筋をなで下ろし胸元で円を描くと、同じラインを今度は唇でなぞっていく。
光の唇が徐々に降りてゆき、紫苑のそこに到達する頃にはすでに熱を帯びて勃ち上がっていた。

光  「紫苑・・・?気持ちええ?」
紫苑 「はい。気持ちいいですよ。ふふっ。でもちょっとくすぐったいかな。」

紫苑のペニスを右手で握りながら舌でぺろぺろと舐め上げる光だが、どこかたどたどしくくすぐられているようで焦れる。

紫苑 「光さん、舌だして。」

光は、あかんべーをするように舌を出した。紫苑は左手の人差し指と中指の腹でその舌を少し強めになぞる。

紫苑 「舌先に力入れて押し返してみて。・・・そう、上手。」

光が何度か指を舌で押し返していると、唾液があふれてきた。

紫苑 「うん。そのまま俺のに絡めて。」

紫苑は光の口のなかに指を押し入れたまま、自分のものに導いた。
光は紫苑のペニスに舌を沿わせながら口内に迎え入れる。唾液とその先端からあふれる液体が混じり合い卑猥な音をたてた。
くちゅくちゅくちゅ・・・。
光がそれを咥えたまま頭を上下させるたびに、柔らかい髪が紫苑の内腿をくすぐる。
紫苑は自分のものが光の口から出入りしている様子を上から見下ろしながら、熱を帯びるスピードが加速していくのを感じていた。

紫苑 「んんっ・・光さん・・・ふぅ・・・いつからそんなにエッチになったの?」
光  「んなぁ・・・紫苑のせいやろ?」

じゅぷんっと口から離してそう言うとまた、硬く反り返ったペニスを舐めながら目線を上げる光の表情は恍惚としていて、紫苑の鼓動はドクンドクンと大きく跳ねた。

『やばい・・・この眺め、めっちゃクるんですけど・・・。』

いつもは光を攻め啼かしている紫苑だが、今夜ばかりは押され気味だ。
そんな紫苑の心内を感じとったのか、光は握る手と咥えた唇に回転を加えて上下運動のスピードを上げた。

紫苑 「んんっ・・・あっ・・・光さん・・・そんなにしたら・・・。」

下腹に熱が集まり、紫苑はたまらず光の頭部を両手で押さえたが、その動きは止まらない。紫苑の腰が思わず揺れる。

紫苑 「はっ・・・光さん・・・もう・・離れて・・出るっ・・んくっ・・・」

光はその瞬間、紫苑の腰を両手で抱え込み、喉の奥を大きく開いて熱い精を受け止めた。

紫苑 「はぁ・・はぁ・・・光さん?・・・吐き出して。」

肩で息をしながら紫苑は光の口元に手のひらを差し出したが、光は潤んだ薄茶色の瞳で紫苑を見つめ微笑むと、喉仏をコクンっと上下させた。

光  「飲んじゃった。」
紫苑 「・・・はぁ、まったく。・・続きはベッドで・・・覚悟はいいですね?」

紫苑は光の唇を親指の腹でなぞり口づけた。




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Lumie`re (リュミエール)のデビューライブは大成功だった。

集まった約3,000人の観客は舞台裏のバタバタを知らない。
急遽、オープニングアクターを務めた雅樹と達也のユニットも注目を集め話題になった。
ライブ直後からネット上では「Lumie`re (リュミエール)」がトレンド入りを果たし、あっという間に拡散されていった。
翌日から莉音は問い合わせや各界からのオファーの対応に追われながらも、的確に動いている。どうやら神宮司グループの跡取りは、莉音になりそうだ。

ライブの一週間後、Lumie`re (リュミエール)のメンバーは改めて打ち上げをすべく、いつものように湊の家に集まっていた。

全員 「かんぱーい!!」
晴樹 「ほんま、無事にライブ出来てよかったな。」
紫苑 「家の事で、ご迷惑をおかけしてすみませんでした。」
湊  「紫苑くんのせいやないやんか。それはそれや。そっちもどうにかなったみたいで良かったな。」
紫苑 「はい。ありがとうございます。」
晴樹 「ふたりが間に合わん思った時はもう、覚悟決めたけどな。」
章仁 「祥くんとハルさんのあんな真面目な顔初めてみたよ。」
晴樹 「おいっ!いつも真面目やろ?」

章仁の軽口にみんなが笑い、晴樹が章仁を軽く小突くとすかさず湊が章仁を抱え込む。
ライブ当日の緊迫状況から解放されたメンバーの顔は穏やかだ。

湊  「そやけど、イヤモニからももの声が聞こえた時はびっくりしたわ。」
晴樹 「最後の悪あがきでセッションしとったら、ぎりぎり滑り込みやんか?役者やな思ってにやけたわ。」
光  「俺かて、必死やったんやで。やっと到着したらライブ始まっとって、誰が歌うんや?ってちょっとパニクったわ。」
湊  「あほか。歌うんはももしかおらんやろ。もちろんベースも紫苑くんしかおらん。」
紫苑 「間に合って、本当に良かったです。」
光  「紫苑のお陰やで。」

ライブ会場へ向かう光と紫苑を乗せたバイクが豪雨地帯に突入したとき、光は何かに驚き急ブレーキをかけ、わずかにハンドル操作を誤った。タイヤが横滑りを始めた瞬間、紫苑はすかさず後ろから光を抱え込み体重を移動させ、事なきを得た。
しかしその後、バイクのエンジンが止まってしまったのだ。
光のスマホは楽屋に置いたまま、紫苑の携帯は零王に奪われたままでどこにも連絡のつけようがなく、ふたりはバイクをおしてスタンドを目指した。足を怪我している紫苑と小柄な光にエンジンが止まってしまったバイクをおすのはかなりの労力が必要だった。

紫苑 「いや、あれは・・・。」

紫苑は咄嗟にバイクを立て直そうとしたとき、なにか不思議な力を感じていた。

あれはきっと、栗林さんだった。光さんを守るために・・・。

紫苑 「・・・偶然、内藤さんが通りかかってくれたお陰ですよ。」
光  「それもな。車で送ってもらえんかったら間に合わんかったしな。」
晴樹 「ああー!思い出してしまった。俺の不二子ちゃん。まだ戻らん」
章仁 「え?何?ふじこちゃんって?」
湊  「ハルのバイクの名前や。」
章仁 「バイクの名前!?バイクに名前つけてるの?信じられなーい。」

そしてまた、章仁の軽口にみんなが笑い、晴樹が章仁を軽く小突くとすかさず湊が章仁を抱え込む。
いつの間にか紫苑も、片側の口角を上げるだけでなく、目を細めて笑うようになっていた。
光はそんな紫苑を見て、すごく幸せな気持ちになる。

光  「なあ。ライブん時、虹でとったな?」
湊  「でとったな。」
章仁 「俺も見た。」
晴樹 「俺らの真っ正面やったから、お客さんは気づいとらんかったみたいやけどな。」
紫苑 「Lumie`re (リュミエール)デビューのお祝いみたいでしたね・・・。」

低い声でぼそりとつぶやく紫苑に全員の視線が集まった。

湊  「なんや、紫苑くんめっちゃロマンチストなんやな。」
紫苑 「えっ!?い、いや、その、なんていうか・・・」

紫苑はみんなの視線が自分に集まっていることに気づいて慌てた。

紫苑 「ここから、スタートなんだなって思ったんです。」
湊  「そうやな。まだ、はじめの一歩や。」
章仁 「うん。」
晴樹 「まだまだ、いろいろありそうやで。」
光  「いろいろ何でも、かかってこいや。」
全員 「あははは。」
晴樹 「なんだそれ?」
光  「まだ見ぬ景色。みんなで見に行こうって言うてんねん。」
湊  「そうやな。ほな、も一回乾杯しようや。」
晴樹 「Lumie`re (リュミエール)の虹色の未来に!」
全員 「かんぱーい!!」


Fin




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湊  「遅いなぁ。」
晴樹 「そうやな。雅樹たちも30分が限度やで。」

舞台裏のバタバタに気づいた雅樹と達也が楽屋に飛んできて、オープニングアクターとして歌うことで時間稼ぎを買って出てくれたのが20分前の事だ。既にライブ開演時間を過ぎている。魅力的な歌声と演奏に加え、路上ライブで鍛えた話術で観客たちを魅了しているふたりだが、そもそもLumie`re (リュミエール)のデビューライブなのだ。あまり長くは待たせられない。観客がというよりも詰めかけていたマスコミが、予定外の進行に騒ぎ始めていた。

湊  「莉音ちゃんの話やと、もう着いててもええ頃なんやけどな。」

湊と晴樹と章仁は、楽屋出入り口から、ただ遠くの空をみつめて待つしかなかった。
雷鳴はだいぶ遠のいていた。幸い会場の空を雨雲が覆うことはなく、3人の視線の先には夕焼けのオレンジ色と闇の紫色が美しいグラデーションを作っていた。
遠くで雨が降ったせいでだいぶ涼しくなってきた。まさに野外ライブ日和だ。
しかし3人は無言のまま、なすすべもなくただ時間だけが過ぎていく。
そこに、後ろからバタバタと足音が聞こえてきた。

スタッフ「すみません!もう限界です。」

振り向く3人に向かって、走り込んできたスタッフが勢いよく頭を下げた。

湊  「こちらこそ、すみません。わかりました。」
晴樹 「ここは正直に、ごめんなさいするしかないやろ。」
章仁 「うん。」
晴樹 「とにかく遅くても、ふたりが無事ならそれでええ。俺らが頭下げる。」
湊  「そうやな。行こか。」

3人は今一度、街へ続く道を振り返ると、顔を見合わせそれぞれの思いを確認した。


湊は深呼吸をすると、大きな拍手と歓声に送られ舞台下手に降りてきた雅樹と達也と、無言で目を合わせ、そのままステージへ歩み出た。晴樹と章仁もそこに続く。

晴樹がギターを肩にかけ、軽くチューニングをする。章仁が椅子の位置を調節してバスドラを鳴らす。湊がいくつかのつまみを操作してシンセサイザーの音を作る。

キュイーン
晴樹のギターが高音からソロパフォーマンスを始めると、合わせて章仁がリズムを刻みだし、湊がメロディーを重ねる。
セッションが始まった。
オーディエンスの表情は明るい。手拍子を打つもの。リズムに合わせて身体を揺らすもの。歓声を上げるもの。徐々に会場内がひとつになっていく。

暫くすると、やや足を引きずりながらもう一人ステージに上がってきた。
肩にベースをかけると章仁のリズムに合わせて、ベース音のリズムを加えてきたかと思うと、早弾きのパフォーマンスで観客の注目を一気に集める。
紫苑だ。
サラサラの銀髪を揺らしながら、紫色の瞳は遠く一点を見つめていた。
その視線の先には、虹が見えている。

それぞれの音が重なり合い、激しくも心地よい曲が奏でられ、会場内のボルテージは徐々に上がっていく。四人はそれぞれ目を合わせその曲を最高に盛り上げてエンディングに導く。連打したシンバルを章仁が手で止めて曲が終わると会場からは大きな拍手が送られた。
拍手が鳴り止むと一瞬の静寂の間があり、ひとつの影が静かにステージセンターに歩み出た。

微かなブレス音。そして・・・
高音で少し鼻にかかる癖のある、光の歌声。


♪信じて歩きだそう
まだ見ぬ景色を 君とみるために~♪


いよいよLumie`re (リュミエール)のデビューライブが幕を開けた。




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