<夕方・車>
翌日は屋上にあるプールで泳いだり・・・まぁ、泳いだのは結局俺と美和子だけど。
涼はプールサイドで本を読んでるし、佳苗は体調がイマイチらしく部屋に籠っていた。
まぁ、それぞれ好きなことやっていてもなんだかんだと楽しかったけどな。
午後からは、涼と俺で買い出しに行くことになった。
ん・・・。ふたりっきりはちょっと気まずくて躊躇したが、
佳苗と美和子で夕飯の支度をするというので、役立たずは荷物持ちってことに。
車中は微妙な空気だった。
涼の読んでいる本の話や、俺の子供の頃の夏休みの話をしていたが、会話が途切れる。
ひととおり買い物が終わって帰る頃になると、話しのネタも尽きた。
俺は、思い切って気になっていたことを聞いてみることにした。
隆哉「なぁ、涼」
涼「ん?」
隆哉「佳苗と付き合うの?」
涼「はぁ!?」
マジでかなり驚いたらしく、ハンドルがぶれて車が左右に揺れた。
隆哉「あっぶねぇな」
涼「お前が変なこと言うからだろ。びっくりしたなぁ」
隆哉「そおか?この旅行で気がつくといっつも二人でいるし」
涼「それを言うなら、お前と美和ちゃんがいっつも二人でいるからじゃん?」
隆哉「あいつとは兄弟みたいなもんだからな。そんなんじゃねぇよ」
涼「俺も、佳苗ちゃんと付き合ったりしてないよ」
隆哉「だけど夕べ・・・」
涼「・・・なんだ。夕べ起きてたの?」
隆哉「いや、目が覚めてテラスみたら、ふたりがくっついてたから・・・」
涼「ふっ。くっついてたって。ははっ」
隆哉「笑うことかよ。余裕だな!」
俺はばかにされたみたいでちょっと腹がたった。
涼「ごめん。彼女もね、辛い恋をしてるみたいでさ。
相談っていうか・・・話を聞をいてたんだ。
それで、ちょっと俺に確認してほしかったみたいで、抱きついてきたみたいな形になった」
隆哉「・・・なんだかよくわかんねーけど。やっぱり抱き合ってたんじゃねーかよ」
涼「うん。そうだね・・・なんだか隆哉、怒ってる?」
隆哉「怒ってねーよ!」
涼「怒ってるよね・・・?・・・隆哉、まさか佳苗ちゃんのこと好きなの?」
隆哉「はぁ!?んなわけねーし!あいつおっぱいないし!対象外!」
涼「ひどいなぁ。俺もおっぱいないし・・・」
隆哉「あたりめーだろ!男なんだから!」
涼「はははははっ。そうだよね。」
まったく、涼は何を言ってるんだ?
とりあえず、佳苗と付き合うわけでもなさそうだな。
・・・って、何で俺はほっとしてるんだ!?
最近自分の気持ちがわからなくなる。
涼「隆哉。なんだか車の調子が少し変なんだ。じいちゃんにも、点検しておいてくれって言われてて。
このまま山登って途中で止まっても困るから、車屋寄っていいかな?」
隆哉「あぁ、大丈夫じゃね。山歩いて登るのごめんだし」
涼「うん。近くに、じいちゃんがいつも行ってる車屋があるんだ」
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