<佳苗の部屋・夕方>
望を抱きかかえたまま、佳苗の部屋に入ると俺は望の顔を覗き込んだ。
その瞳に俺が映ってはいるが、望はどこも見ていない。
蝋人形のような表情のままだ。
宗一郎「ごめんな・・・ごめんな・・・」
俺は望を抱きしめてひとしきり泣いた。
そして、決心した。
宗一郎「俺が、お前を守る。何があってもずっと守るから」
俺は望の何も映していない瞳を見つめてつぶやいた。
宗一郎「愛してるよ望。だけど・・・だから、今からお前は佳苗だ。」
そして、望の・・・
いや、佳苗の着ていた望のパジャマと下着を脱がせた。
宗一郎「佳苗、これから色々なことがある。悲しいことも沢山ある。辛いことも沢山ある。
だけど、いつでもどんな時でも俺は、・・・おにいちゃんはお前の味方だ。
だから、おにいちゃんのことを信じてくれ。」
そして、佳苗の下着を着せながら、その下腹部にある小さなペニスを手でそっと包んだ。
宗一郎「これは、望ちゃんの忘れものだ。望ちゃんはここにいる。
いつも佳苗と一緒だ。だから大切にするんだよ。
そして、望ちゃんのことは、佳苗とおにいちゃんだけの秘密だ。」
たった今、生まれたばかりの佳苗は何も言わず、ぴくりとも動かない。
その佳苗の唇にそっと唇を重ねた。
宗一郎「秘密の約束だ。愛してるよ。」
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