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響瑠

Author:響瑠
ここに書かれている日記は
<妄想>です。
実在する地名・人名・団体名が登場しても、それは偶然ですので、まったく関係ありません。
また、ここに記されている内容はオリジナルですので
著作権は作者にあります。勝手に使用しないでくださいね。
【18禁表現を含みます】


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<風呂・夜>
貸切風呂は家族連れなどでも十分利用できるほどで、ふたりっきりで入るのは申し訳ないほどの広さだった。
そこもまた静かで、お湯があふれ出ている水音だけが響いていた。
望は終始はしゃいでいて、そのひとつひとつに感動の声を上げていた。

望  「お兄ちゃん。見てみて~」

呼ばれて露天風呂に向かうと、望は空を見上げていた。
そこには満面の星たちと大きなまんまるの月が出ていた。

宗一郎「うわぁ!綺麗だな~」
望  「うん。こんなに沢山の星と綺麗いな月を見たのは初めてだよ。」
宗一郎「そうだな。」

寒いのでお湯に仰向けにぷかぷか浮かびながら、ふたり並んでしばし空を見上げていた。

望  「お兄ちゃん、今日はありがとう。」
宗一郎「おいおい。まだ今日は終わらないぞ。この後、ご馳走たべないとな。」
望  「何がでるのかな~」

その後、お互いの髪を洗ったり背中を流したり、今日一緒に過ごした楽しい時間を振り返っては、おしゃべりをした。

風呂を出て部屋に戻ると食事の支度が整っていた。
豪華な山の幸や川魚などが並んでいた。
望は、ここでも感嘆の声を上げながら食事を楽しんだ。

楽しい時間は、あっという間に過ぎていくのだな・・・。


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<温泉・夕>
旅行へ出かける日。俺は朝からそわそわしていた。
望の提案で、家の最寄り駅から3つほど先の駅にある公園で待ち合わせをした。
望と会うのも久しぶりなら、外でこうして会うのは初めてだ。
車で待ち合わせ場所に到着すると、運転席を降りて周りを見渡した。
すると、ブランコから飛び降りて走ってくる望が見えた。

望  「お兄ちゃん!」
宗一郎「すまん、待たせたか?」
望  「うんん。少し早めに来たんだ。買い物とかしたかったから。」

望は佳苗が綺麗に手入れをして伸ばしているストレートの黒髪を後ろに束ね、帽子をかぶっている。黒を基調にした細身のラインでジャケットを着こなし、まるでコミックから飛び出したかのような美少年だ。
身内のひいき目なのか、色ぼけなのか、思わず見とれてしまった。

望  「・・・?何か・・・変?」
宗一郎「い、いや、とてもよく似合ってる。パジャマ姿や寝巻姿ばかりしかみたことなかったからな。」
望  「そうだね。こんな風に外で会うのも初めてだよね。」
宗一郎「あぁ。なんだかちょっと緊張するな。」
望  「ふふっ。俺も」

珠絵の話では、望はずっと悩んで部屋に籠っていたというが、今日はとてもリラックスしているように見える。何か答えを見つけたのだろうか?

俺たちはドライブを楽しみながら紅葉が見ごろの北を目指した。
途中、動物園とは名ばかりの猿山でえさやりをしたり、すっかり荒野と化したアミューズメントパークに立ち寄り、西部劇のショーを見たり、女の子とのデートならちょっと引かれてしまいそうだが、望はとても楽しそうだった。俺はそんな望を見ているだけで心が温かくなった。
そして、夕陽に照らされた木々が更に彩りを増した山を登り、シーズン中だというのに少し静かな宿に到着した。
この宿は、クリスマスに夢の国のホテルの宿泊を譲ってくれた友人の紹介だ。
お忍び宿で角界の著名人や金持ちが愛人と宿泊するような宿だそうだ。
あまり、人目につかず静かでゆっくりできる宿を紹介してくれと言ったら、この宿を予約してくれた。あいつは本当にマメな男だな。
部屋に案内されると、そこはとても落ち着いた雰囲気の和室だった。
窓の外を見ると山に囲まれていて色づいた木々が美しい。下をのぞけば沢が流れている。
風に揺れる葉の擦れ合う音と沢の流れる水音だけが聞こえるとても静かな空間だ。
防音というわけでもないのだろうが、隣室や廊下の話し声なども聞こえない。
ここなら、ゆっくりできそうだ。

望  「すっごく静かだね~」

女将が部屋を出ると、望がほっとしたように声を発する。
緊張していたのだろう。

宗一郎「あぁ、気に行った?」
望  「うんっ!」
宗一郎「早速、温泉にでも入るか?貸切の露天風呂に入れるぞ。」
望  「ほんとー?すごいね。早く入りたい。」

望は満面の笑顔だ。貸切風呂の予約までしてくれた友人に感謝だな。
ふたりは浴衣に着替えて風呂に向かった。



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<宗一郎の部屋・昼>
十五夜の夜、妹が生まれた。月子と名付けられた。
今さら妹というのも、なんだか変な気分だが、花柳家もこれで安泰なのかな?
母さんは月子につきっきりで、もう佳苗には目もくれない。
今年の初めに、佳苗ではなく望だと言われて自分の子供に切りつけたことなど、まったく覚えていないようだ。

佳苗は高校を卒業したら留学したいと言いだした。
イギリスでフラワーアレンジメントの勉強がしたいそうだ。
随分と成長したものだ。佳苗自身の変化なのか珠絵やアンや、そして望の影響なのかはわからない。
もう、俺は佳苗に何もしてやれない。
夏に墓参りに行ってから、俺は少し佳苗たちと距離を置こうと思い、家を空けた。
その間に佳苗は自慰もできるようになっていた。
定期的に神田先生のところで田崎先生の治療は受けているが、最近は特に変化もなく他の人格は出てこないという。

望はどうしているのだろうか?
このまま、珠絵やアンとともに部屋に閉じこもってしまう気なのだろうか?
たとえ、そうだとしても俺にはどうすることもできない。
俺は望に対して兄弟愛以上の感情を持っている。薄々感じていたけれど気づかないようにしてきた自分の心の奥にあるもの。
もう、それに気づいてしまっていた。封印しなければならない感情。
だから、これ以上、望の中で起きていることに関わってはいけないのだと思うようになっていた。

俺は、じいさんの実家を継いでいる大叔父の養子になり花柳家を出ることにした。
もう30だ。本来なら結婚して婿養子になっていてもいい年だ。
だが、結婚する相手もいなければその気にもならない。
夏に必死で仕上げたレポートが認められて・・・まぁ、じいさんの推薦もあるのだが、
LA.の大学で非常勤講師をすることになった。
勤務は年明けからだが、住むところも全て用意されているらしいので、クリスマス前に日本を発ってしまおうと考えていた。

そんなわけで引っ越しの準備をしていると、開いていたドアに人影が見えた。
顔を上げると、そこには珠絵が立っていた。

珠絵 「お久しぶり。」
宗一郎「あぁ、久しぶりだな。どうしたんだ?」
珠絵 「・・・相談したいことがあって。」
宗一郎「何か問題か?」
珠絵 「問題というか・・・アメリカに行く前に望と会ってもらえないかしら?」

俺が、望を避けて旅立とうとしていることを、まるで見透かしているようだ。

宗一郎「どうして・・だ?」
珠絵 「・・・もう、会えなくなってしまうかもしれないから。」
宗一郎「・・・」

それは、想定していたことだ。
人格の統合がされるのか、それとも強くなった佳苗が望として生きていくのか。
どちらにしても、いままでと同じではいられなくなっていくことは容易に想像できる。
俺も、望に会いたい。しかし・・・。

珠絵 「・・・。会いたく・・・ない?」
宗一郎「いや。・・・会っていいのかなって思って。」
珠絵 「今、望が一番不安定になっているわ。・・・私のせいもあるけど。」

珠絵が最初の望の人格に対し、ショウと名付け別人格としてしまったことを言っているのだろう。ショウであった時は、望を演じ佳苗を演じて生きてきた。
俺と出逢ってショウと名乗ってからも、望と佳苗を守っているという自信があった。
だが、本当は自分が最初の人格であったことを知り、自分が何者なのかわからなくなってしまったようだという。
更に、表にでている佳苗は自分が望だということを受け入れ始めている。
佳苗が望になってしまったら、自分は必要ないと思っているみたいだと。

宗一郎「俺に、・・・俺に何かできるのかな?」
珠絵 「あなたにしか、できないんじゃない?」
宗一郎「そう・・・だろうか?」
珠絵 「随分、弱気になったものね。あなたも、もう自分は必要ないとか思っているわけ?」
宗一郎「・・・」

相変わらず、珠絵は鋭くて容赦がない。

宗一郎「ふたりだけで、会えるか?」
珠絵 「そこは、私にまかせて。佳苗にも協力してもらう。」
宗一郎「俺が・・・いや、なんでもない」

俺が、望を手放したくなくなってしまったら?
そんなこと、思ってはいけないんだ。でも、正直自信がない。
望みを自分だけのものにしたいと、思ってしまうかもしれない。

珠絵 「あなたと、望の思い通りでいいのよ。望の身体なんだから望の好きにしたらいい。」

まったく、珠絵には全て見透かされているようで恐ろしくなる。

珠絵 「みんなと相談して、日程を決めるわ。どこか旅行でも行ってくれば?」
宗一郎「あぁ、いいな。温泉でも行きたい。」
珠絵 「遊園地とかじゃなくて、温泉ってところがおじさんっぽい。」

そう言って、珠絵は声を出して笑った。
望は遊園地の方が良いだろうか?いや、きっと賑やかな所よりも、ゆっくりのんびりできるところの方が好きなはずだ。
何の根拠もないが、俺はそう思った。



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<宗一郎の部屋・夜>
私は少し冒険をしてみたくて、お兄様にも内緒でお友達の別荘に旅行に行ったのですが、翌日、早速お兄様がお迎えに来ました。予想はしていましたが、思いのほか早すぎて少しがっかりしてしまいました。でも、お兄様はもう少し楽しませてくれようと思っていたそうです。

その後、お兄様にお願いして、初めて花柳家のお墓に連れて行ってもらいました。
そこには、間違いなく、花柳佳苗の名前が刻まれていました。
そう、・・・私はやはり、花柳望なのです。

あれから、珠絵さんと色々な話をしました。珠絵さんは私のことを私以上に知っていました。珠絵さんから今までの自分の事を聞くと、まるでそれを経験したかのように自分の記憶に刻まれていく感じがするのです。心のアルバムが増えていくように。
望ちゃんとはまだ、話はできません。望ちゃんはずっとお部屋に入ったきり出てこようとしないそうです。きっと望ちゃんも悩んでいるのだと思います。だから、しばらくそっとしておいてあげようと思っています。

お墓参りをした翌日からお兄様は、もう2週間も家に帰ってきていません。
研究レポートを仕上げるとかで、学校の近くのホテルに泊っているそうです。
そういうわけで、私はもう2週間も射精をしていないのです。
なんだかそこは、とても敏感になっていて少し触れただけでもビクリと反応したり、下着の摩擦でさえ刺激になってとっても変な気分なのです。
私は、どうしたら良いのかわからず、そっとお兄様の部屋に入り込みました。
やはり、お兄様はいません。
空気の入れ替えをしようかと窓を開けると、夏の香りがしました。
私は、深呼吸をしながら空を見上げました。
そこには無数の星に囲まれた、今にも折れそうに細い三日月が浮かんでいました。

佳苗 「ポキって折れてしまいそうね・・・」

私はしばらく月を眺め、ため息をつきながらお兄様のベッドに横になりました。
あぁ、お兄様の匂いがする・・・そう思うだけで、望ちゃんが・・・いいえ、私の身体の中心にあるそこが、ドクンッと波打つのです。
私はたまらず、そこに手を伸ばしました。両手でそれを覆うとすでに大きくなっています。
寝巻の浴衣の裾を開いてそれをあらわにし、そっと触れるとビクンと反応しました。
片手で袋を包み込み揉みほぐしながら、もう片方の手で竿を握り上下させます。
いつも、お兄様がしてくださるように手を動かしていると、先端から液体が出てきて、くちゅくちゅと音を立てます。
それを指に絡めて更に上下させる右手のスピードを上げます。
私は、もっと刺激が欲しくて自分の腰が動いてしまいます。
いつもの嫌悪感はありません。でも、少し恥ずかしくてお兄様の枕を抱えて顔を埋めました。
お兄様の匂いに包まれながら、その手のぬくもりを思い出し、そしてお兄様と望ちゃんがしていたことを思い出しだんだん頭の中がからっぽになっていくようです。

佳苗 「あぁ・・・・はぁ・・はぁ・・・んんっ・・・もっと・・・」

もっと気持ちよくなりたくて、手の動きを速めます。
膝を曲げたまま両足を大きく開いて腰を揺らします。
そうしていると、だんだんオシッコをしたいような感じがしてきました。
どうしよう。それを我慢しながら更に手を動かしていると、快感で全身がビクビクっと痙攣します。

佳苗 「んんっ・・・んんっ・・・あぁぁ・・・」

勝手に声が漏れてしまいます。
そんな、自分のくぐもった声に交じって、階段を登ってくるような足音が聞こえた気がしました。
お兄様かもしれない。
そう思いましたが、もう自分の手と腰の動きを止めることはできません。
あぁ、出ちゃう!・・・そう思った瞬間、足元のドアがカチャリと開きました。

佳苗 「あぁ・・・いや・・・出ちゃう・・・出る・・・ふぅんっ・・・」

竿の先端から、温かい液体が勢いよく飛び出しました。
身体は硬直し、ビクンビクンと跳ねあがりました。

佳苗 「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

私は、我にかえりきつく閉じていた瞼を開くと、そこにはお兄様が立っていました。

宗一郎「・・・望か?・・・いや、佳苗?」

私は、ゆっくりとうなずきました。
お兄様は驚いたようですが、私のそばに来ておでこにキスをしました。
それから、私の身体をきれいにして下さいました。



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<車・昼>
佳苗が初めて無断外泊をした。
俺は、驚いたが少し嬉しくもあった。
佳苗は賢い子だ。馬鹿なことをしたりはしないだろう。
きっと、自分の中で起きていることを受け入れようとしているのだ。

明け方、佳苗の携帯電話からメールが届いた。
珠絵だ。居場所を知らせてきた。佳苗は心配いらないと、自分たちがついているからと。
そうだな。そうやって協力し合って成長していくべきなんだ。
もう、俺がしてやれることはあまりないのかもしれないと、今度は少し寂しくなった。
2、3日は知らんぷりしておこうかと思っていたのだが、だいぶお腹が大きくなってきた母親の美鈴がうるさいので、迎えに行くことにした。
佳苗よりも成長しなければならないのはこの人なのだと思っている。
まぁ、もうすぐ女の子が生まれれば、佳苗が実は望だと知っても取り乱すこともないだろう。

別荘に到着すると、佳苗と美和ちゃんしかいなかった。
来る途中、山を登り始めたところですれ違った大きな4駆自動車に乗っていたのが涼君と隆哉くんだったようだ。
佳苗を連れて帰ると言うと、美和ちゃんも一緒に帰るというので3人で帰ることにした。
帰りの車中は、終始ガールズトークとやらで盛り上げっていて俺は透明人間に徹していた。
こうして見ていると、佳苗も普通の女子高生に見える。
美和ちゃんを送り届け、佳苗とふたりきりなると、車中はシンと静まり返った。

宗一郎「どこかで食事でもして帰るか?」
佳苗 「ううん。・・・ねぇ、お兄様、私、花柳家のお墓参りをしたい。」
宗一郎「!?・・・墓?まっ、まだお盆には早いぞ。」

俺は慌てた。佳苗は花柳家の墓に行ったことがない。そりゃそうだ。
そこにある石碑には、花柳家代々のご先祖様の名前とともに、花柳佳苗の名前が刻まれているのだから。
花柳家の墓は、一般の人は入れないようになっている。お寺の奥、鍵の掛った門を開けて入るのだ。

佳苗 「大丈夫よ、お兄様。私、真実をきちんと確かめたいだけ。」
宗一郎「真実・・・?」
佳苗 「私が佳苗ではなくて望であるという真実を、ひとつひとつ受け入れていきたいの。」
宗一郎「・・・。そうか、わかった。」

俺は、花柳家の墓があるお寺へ向かった。
住職にお願いをして門の鍵を開けてもらった。
母さんはもちろん、家族は佳苗が亡くなってから、ほとんど墓には来ていない。
誰もが佳苗が亡くなったことを受け入れられていなかったのかもしれない。
それでも、綺麗な花が生けてある。
御布施をして手入れをしてもらっているのだろう。
ふたりで墓前に立ち、花を生けて線香を手向ける。
佳苗は、まるで確認をするように、石碑に刻まれた自分の名前を指でなぞって、深呼吸をした。
そして、ゆっくりと手を合わせると目を閉じた。
しばらくして、目を開きふりかえると、笑顔で口をひらく。

佳苗 「花柳 佳苗 ちゃんは、ここに眠っているのですね。私は、花柳 ・・・望。」
宗一郎「・・・あぁ、そうだ。・・・すまない。俺のせいだ。」
佳苗 「お兄様のせい?」
宗一郎「佳苗が亡くなった時、取り乱した母さんに傷つけられたお前が可哀そうで・・・佳苗になれと言った。そしてお前は、佳苗になった。」

俺はあの時の魂の宿らないような望の蝋人形のような表情を思い出していた。
しかし、佳苗はニコリとほほ笑んだ。

佳苗 「それは違います。誰かに別人になれと言われたからと言ってなれるものではありません。お兄様に言われたからではなく、自分でこうなることを選んだのです。」
宗一郎「・・・?」
佳苗 「きっと、あの時の私が、悲しかったり辛かったりした気持ちを閉じ込めて、佳苗を押し出したのです。お兄様のせいではありません。」
宗一郎「・・・お前は、いつからそんなに強くなったのだ?」
佳苗 「ここに、望ちゃんも珠絵さんもアンさんもいます。力を合わせれば何でもできそうな気がして・・・。もちろん、少しずつですけど。」

そう言ってまた、微笑んだ。
あぁ、本当にもう、俺がしてやれることは何もないのかもしれない。



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