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響瑠

Author:響瑠
ここに書かれている日記は
<妄想>です。
実在する地名・人名・団体名が登場しても、それは偶然ですので、まったく関係ありません。
また、ここに記されている内容はオリジナルですので
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<渚&コウ の場合>

あけましておめでとうございます。遠野 渚です。
翔くんたち楽園のメンバーと初詣に行って来ました。相変わらずみんな賑やかで、いい人ばかり。僕は幸せだなぁって思っています。
アクターは、コウとの撮影以外では引退して今年は大学に復学し、楽園もスタッフとしてお手伝いすることになっています。どうぞ本年もよろしくお願いします。


初詣の後、僕はコウと駅に向かって歩いていました。
コウは、お姉さんの麻衣さんが東京に出てくるので、駅に迎えに行って東京案内することになっているんです。

渚  「コウ、時間は大丈夫?」
コウ 「余裕や。麻衣かて東京初めてやないしな。そやけど、なんで急に出てくるんやろ?」
渚  「結婚するお相手も一緒なの?」
コウ 「ひとりやって言ってたで。まさか正月早々別れたってことないやろな。」
渚  「それなら、コウに言うんじゃない?」
コウ 「そやな。そっちは時間大丈夫なん?」
渚  「僕は、父さんの家に行くだけだから大丈夫だよ。」
コウ 「そうか。」
渚  「ホントは、僕が案内してあげられれば良かったんだけど、ごめんね。」
コウ 「そんなん、ええねん。親父さんに会うの久しぶりなんやろ?」
渚  「うん。急に連絡があって、お正月来てほしいって。」
コウ 「久しぶりに親孝行してき。親孝行したいときに親はなしやで。」
渚  「コウ・・・。ありがとう。」

コウは早くに両親を亡くして苦労しているんです。僕より年下なのに結構しっかりしてるんだよね。お姉さんの麻衣さんとは血はつながっていないし、元彼女でもあるんだけど、なんだか仲良くて信頼し合っていて、ひとりっこの僕はちょっと羨ましいなって思っちゃう。
<渚の恋の物語。渚くん大阪へ行くの巻>参照

僕の両親は、僕が芸能界を引退した時に離婚しました。
正確には、ステージママ的存在だった母親が、クスリで捕まって両親が離婚し、僕はやっと母親の呪縛から逃れられ、父親に引き取られました。
でも、子供の時から母親がべったりだったので、父親との交流はあまりなくて、どう接してよいのかもよくわからず、すぐに家を出てしまったんです。
でも、ことあるごとに父親は連絡をしてきて心配してくれていました。
僕も、ちょっとは大人になれたみたいだし、久しぶりに父に会いに行こうって思ったんです。

コウ 「ほな瑞樹、気つけてな。」
渚  「コウ、ありがと。コウも気をつけてね。」

僕の本名は瑞樹と言います。ふたりきりの時だけコウは僕を瑞樹と呼びます。
僕はコウにキスしたい衝動に駆られましたけど、さすがにこの人混みでは無理だよね。
そう思っていると、コウがそっと僕の手を握りました。

コウ 「瑞樹、好きやで。」
渚  「コウ、僕も好き。」

そう言って、僕たちは駅で別れました。


父の家は、いわゆる高級住宅街にあり、その中でもひときわ広い敷地を有しています。
久しぶりにその玄関の前に立ちベルを鳴らすと、めずらしく父が扉を開けてくれました。
いつもは家政婦さんがいるんです。男のひとり暮らしですからね。でも、お正月だから流石にお休みなのかもね。

渚  「ただいま。」
父親 「瑞樹・・・おかえり。よく来てくれたね。」
渚  「ご無沙汰しています。」
父親 「大人になったな。さぁ、上がって。」

リビングに親子で向かいあって座っても、何を話したらいいのかよくわからず会話がすすまない。すると、父が重い口を開きました。

父親 「瑞樹、実は今日ここに来てもらったのは、会ってほしい人がいるんだ。」
瑞樹 「会ってほしい人?」
父親 「その・・・再婚しようと思っている。」
瑞樹 「えっ?」

僕の両親は、僕が生まれてすぐモデルや子役としてテレビや雑誌に出るようになったころから、ほとんど別居状態だったし、母親は僕のことしか頭になかったから、父が何をしていようと気にも留めていませんでした。
だから、父はよくクラブのホステスや時々は僕も顔を知っているような女優を家に連れてきていました。
なので、離婚した後もそんな暮らしをしているのだと思っていました。
まさか、真剣に再婚なんて考えていたとは・・・正直驚きました。

渚  「本気?」
父親 「あぁ。もう一度結婚をしたいと思う人と出逢えるとは思ってもいなかったんだけどね。この人となら、これからの人生一緒に歩いて行けるんじゃないかって思ったんだよ。」
渚  「そう。どこで知り合ったの?」
父親 「出張先の接待のお店でね。」

水商売か・・・この人、ホントそういう女性に弱いだなぁ。尽くしてくれそうって思っちゃうんだろうけど、相手は商売だからね。しかも、父は下手にお金あるし、ルックスもいいからモテるんだよね。
そうは言っても、僕に何かを言う権利もないし。父が好きになった人なら反対するつもりもないけど。

渚  「父さんが好きになって、結婚したいって思った人なら、僕は反対しないよ。」
父親 「・・・瑞樹、ありがとう。」

ピンポーン
丁度良いタイミングで玄関のベルがなりました。
父が玄関に迎えにゆき、その女性がリビングに入ってきました。そして後にもうひとり。

父親 「瑞樹?麻衣さんと、弟の孝一郎くんだ。」
麻衣 「はじめまして、瑞樹さん・・・・?渚くん!?」
渚  「え!?」
コウ 「瑞樹!?」
渚  「コウ!・・・麻衣さん?」

なになにぃ?どういうこと?父さんの結婚相手って・・・・?

父親 「なんだ瑞樹、麻衣さんと孝一郎くんを知っているのか?」

知っているも何も、コウは僕の彼氏です・・・。そんなことは言えないけど。

父親 「そうかそうか。それなら話しも早いな。」

ニコニコと上機嫌の父を横目に、麻衣さんとコウと僕は目を合わせてちょっと複雑な顔になりました。
何これ?麻衣さんが僕のお母さんになって、コウは僕の叔父さんになるってこと?
ひぇ~!
麻衣さんは、父さんから瑞樹と言う名の息子がいることは聞いていたそうですが、僕の本名が瑞樹だってことを知らなかったので、まったく気付いていなかったそうです。
コウも、結婚する相手の人の家に行くので、一緒にごあいさつしてほしいと言われて今日はついてきたとか。まるでドッキリみたいです。
世の中、何があるかわからないよね・・・。




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