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響瑠

Author:響瑠
ここに書かれている日記は
<妄想>です。
実在する地名・人名・団体名が登場しても、それは偶然ですので、まったく関係ありません。
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なんやろ・・・あったかい・・手?・・・気持ちいい・・・紫苑?

光は髪に触れる温かい手の感触で意識を取り戻した。
少しずつ感覚が戻るにつれ、身体は鉛のように重く、全身の激しい痛みに襲われた。

光  「んっ!?・・・痛っ・・・んんっ・・・」
紫苑 「光さん?気がついた?」
光  「・・・紫苑?」

光はコテージにある紫苑の部屋の大きなベッドに横になっていた。
ゆっくり瞼を開くと、目の前には光の顔を心配そうにのぞきこむ紫色の瞳があった。

紫苑 「身体・・・痛みますか?」
光  「うん・・・大丈夫や。・・・それより、雅紀は?」
紫苑 「光さんと一緒に助け出しました。今は翔さんたちのところにいます。」

光は軋む身体を無理やり起こしてベッドに腰掛けた。

紫苑 「まだ寝ててください。」

紫苑は光を寝かそうとするが、光は首を横にふる。

光  「雅紀に会わな・・・雅紀どこや?」
紫苑 「光さん。」

すると、ドアがノックされた。紫苑が扉を開くと、そこには湊と翔が立っていた。

湊  「もも、気ついたか?」
紫苑 「たった今。目を覚ましました。」
湊  「ほんなら、ちょっと話してええかな?」
紫苑 「どうぞ。」

湊と翔が部屋に入ってきて、ベッドに座っている光の周りに腰を下ろした。

翔  「光くん大丈夫?」
光  「はい。俺は大丈夫です。自分で暴れて怪我しただけやから。」
翔  「光くんが暴れて大声出してくれたお陰で見つけることが出来たんだ。ありがとう。それに、だいぶ殴られたでしょう?」
光  「これくらい・・・雅紀に比べたら・・・。それより、雅紀は?雅紀はどこですか?会わせて下さい。」
翔  「今はまだ会えない。薬が抜けないと、会わせられない。和樹が一緒だから大丈夫だよ。」
光  「・・・」

紫苑は、そっと光の身体を支えるが、光は小刻みに震えている。

翔  「聞きたいことがあるんだけど。・・・あきらって誰だかわかる?」
光  「暁って・・・雅紀と一緒にバンド組んでたベースの奴が、暁って言います。」
翔  「じゃぁ、その暁くんかな・・・和樹のことを暁くんと勘違いしてるみたなんだけど・・・似てる?」
光  「えっ?・・・あんな大柄やないけど・・・似てるとしたら・・・色黒いとこくらいやろか?」
翔  「そうかぁ。朦朧としながらうわごとみたいに、暁って何度も言うんだ。・・・その、暁くんと連絡つくかな?」
湊  「連絡先はわかります。暁もずっと雅紀んこと探してましたんで・・・。そやけど、雅紀はほんまに暁に会いたいんやろか?」
光  「湊・・・。」
湊  「ももは、自分が雅紀やったら紫苑くんに会いたいか?」
光  「・・・わからん。」
紫苑 「俺は会いたいです。どんな状態であっても光さんのそばにいたいし、支えになりたい。」
翔  「うん。・・・薬抜けた時に支えてくれる人にそばにいてもらいたいんだ。その・・・暁くんは雅紀のこと受け止めてあげられるかな?」
光  「暁なら大丈夫や。」
湊  「そうやな。・・・僕も大事な人が酷い目に合うてるならそばに居りたいわ。ほんなら暁に連絡してみるな。」
翔  「お願いします。あまり詳しいことは電話ではなくて、こっちに来てから俺が話しますから。それに、明日いっぱいはまだ、薬抜けないと思うんで。」
湊  「わかりました。」

湊が部屋を出ていくと、翔は光に近づいて声を掛ける。

翔  「光くん、うち(楽園)のアクターが酷いことして本当にごめんね。」
光  「翔さんのせいやないし、雅紀が・・・雅紀が守ってくれたから・・・。」
紫苑 「・・・」

光は必死で自分を守ろうとする雅紀の姿を思い出して涙が溢れた。

翔  「今夜はゆっくり休んで。」

翔が出て行ってしまうと部屋は急に静かになった。

紫苑 「光さん・・・横になりましょう。」

紫苑は光の身体をベッドに横たえると、自分もその隣に横になり光を抱きしめた。
光もゆっくりと紫苑の背中に腕をまわし、その大きな胸に顔を埋めた。

光  「紫苑・・・ごめんな。」
紫苑 「光さん?・・・なんで謝るの?」
光  「俺・・・自分を嫌いになりそうや・・・。」
紫苑 「どうして?光さんは何も悪くないでしょ?」
光  「そうやろか・・・。」

光は雅紀を助けたくて大声を出して暴れた。その光を抑えるために男達が光を殴り、光の顔を殴ったことに怒った竜二が男達を殴って少しの時間内輪もめ状態になった。
そのすきに、雅紀のベッドに倒れ込んでいた光の髪からピンを抜き取った雅紀はそれを握りしめ、「仕事だと思えばこれくらいたいしたことないから」と光に耳打ちをした。
その後、男達に抑え込まれて身動きが取れなくなった光の目の前で、雅紀は薬を飲まされ、竜二に乱暴に抱かれた。そして雅紀は光を守る為、気を失わないように握りしめたピンで自分の掌を突き刺し続けた。
その光景に光は耐えきれず、何度も吐いて気を失ってしまったところを、翔達に助け出されたのだ。

紫苑 「光さん。今夜はもう何も考えないで眠ってください。」
光  「・・・」
紫苑 「好きです。・・・俺は、光さんが好きです。」
光  「・・・」

紫苑は光の身体をぎゅっと抱きしめるが、光は人形のように無言のまま動かなかった。



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