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響瑠

Author:響瑠
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最初の金曜日、リハーサルの為、Lumie`re (リュミエール)のメンバーはバーベキューガーデンにやってきた。開放的なレストランとその店の前にいくつものパラソルが並んでいる。そこからステージまでは芝生が敷き詰めてあり、ステージ前には50席ほどの椅子が用意されていた。ステージは割と広いが芝生からほんの少し高くなっている程度だ。ホテルのスタッフによってドラムセットは既にセットされていた。
ステージの横には小さな小屋があって、その中にミキサーはあるようだ。音響はMCのマネージャーが兼任するらしく、丁度小屋からスピーカーを出してきてセッティングをしているところだった。

光  「おはようございます。今日からライブさせてもらうLumie`re (リュミエール)の百瀬光です。よろしくお願いします。」
平野 「あっ、おはようございます。こちらこそよろしくお願いします。平野といいます。音響はここで何年もお手伝いしてますけど、素人なのでおまかせしても良いですか?本番中は動きますんで。」
光  「はい。大丈夫です。」

メンバーそれぞれが自己紹介をしてセッティングを始める。
光と湊が小屋に入ってPAの説明を受けた。野外で使うにはもったいないくらいの良い機材を使っている。流石、神宮寺グループの施設だ。
そこへ、女性MCもやってきた。

愛華 「おはようございます。MCの東雲愛華です。よろしくお願いします。」
光  「よろしくお願いします。」
愛華 「うわっ!みんなカッコイイ。すっごい若返っちゃったね。」
平野 「本当ですね。」

昨年まで来ていたバンドは、いわゆるオヤジバンドで、普段はそれぞれ自営業やサラリーマンをしているセミプロだったそうだ。青春時代にオールディーズやビートルズをリアルタイムで愛した人達だ。見た目は普通のおじさん達だが腕はなかなかのものだったらしい。

セッティングが済んで音を出し始めると、テニスコートやバスケットコートで遊んでいた家族連れやカップルが興味深そうに見ていたり、近寄ってきて愛華や平野と話をしている。
「本番は夜だから、是非来てほしい」としっかり宣伝もしてくれているようだ。

一通りリハーサルが終わると、メンバーは一度コテージに戻って本番の準備をすることにした。準備と言っても順番にシャワーを浴びて、軽くヘアーセットをするくらいのものだ。そもそもライブをする予定などなかったのでステージ衣装など持ってきていないのだが、それでも普段着を個性的に着こなすあたりは、みんなセンスが良い。
手足が長くスタイルの良い晴樹は、着古したジーンズにグリーンが基調のアロハシャツを着て大きめの薄茶色のサングラスを掛けたら、お正月にハワイで見かける芸能人のようだ。
湊は細見のブルージーンズに白シャツを着ただけで、シルクのようなサラサラロングの黒髪に涼しげな切れ長の目が強調されて、クールビューティーになる。
彰仁は、いつものビタミンカラーのTシャツにカーゴパンツ。ちょっとばかり子供っぽいが、晴樹が自前の中折れストローハットの麦わら帽子をかぶせ、湊がやはり自前のストールを軽く首に巻くと、オシャレさんに大変身。
紫苑はジーンズにシンプルな黒Tシャツにラベンダー色のオーガンジーシャツを羽織っているが、神宮寺に良く似た目鼻立ちの整った顔立ちに、アッシュグレーの髪と紫色の瞳・・・際立って目立っている。
そして光は、黒色で細身の綿パンにV字に胸が大きく空いたTシャツを着ている。胸から覗く鎖骨がなんともセクシーだ。更に伸びすぎた前髪をふわりと上げてサイドもバックまで撫でつけているせいで、綺麗な顔立ちが目立つ。

紫苑 「光さん、肌露出しすぎ・・・。」
光  「へっ?」

紫苑は不機嫌な顔で、自分が来ていたシャツを光に着せる。オーガンジー素材でシースルーなので、光の白く細い腕が透けて見えて、それはそれで更にセクシーになっている。

紫苑 「・・・」
光  「紫苑、変なとこ気にし過ぎや。」

光は少々あきれながらも、紫苑のシャツを着たままステージに立つことにした。
紫苑に抱きしめられているみたいで、光は少し嬉しかった。

晴樹 「もも、何にやけてんねん?」
光  「ええっ!?・・・にやけてへんわ。ライブ出来る思ったら嬉しくてちょっと頬ゆるんだかもしらんけどな。」
晴樹 「確かに。思いがけずライブできるなんて嬉しいな。」
彰仁 「俺も嬉しい!この3日すっごく大変だったけど。」
湊  「アキ、めっちゃ頑張ったしな。今日は楽しむんやで。」

光と晴樹は目を合わせて肩をすぼめる。

湊は笑い上戸だが、冷静沈着という言葉がぴったりはまるタイプで、時には正論で相手を容赦なくバッサリ切って捨てることにもある。そんな湊の彰仁へのベタ甘加減が晴樹や光は不思議で仕方がないが、微笑ましくも思っていた。

光  「ほな、そろそろ行こか?」
湊  「そうやな。」

そしてメンバーはワクワクしながら、バーベキューガーデンへ向かった。




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