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響瑠

Author:響瑠
ここに書かれている日記は
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Lumie`re (リュミエール)のメンバーは、コテージに到着した翌日からスタジオに入り新曲の仕上げとライブパフォーマンスのリハを始めた。
コテージの地下にあるスタジオは、半地下になっているので地上の灯りも入る。
Lumie`re (リュミエール)の演奏は、紫苑が加わったことで、目に見えて音の幅が広がり曲に厚みを出していた。また、光のパフォーマンスも紫苑との愛を知ることで得た色香を纏っている。明らかにレベルアップしていた。

休憩になると、紫苑は電話をしてくると言って地上に上がった。

晴樹 「やっぱり紫苑くんのベースは、ええわ。はよライブしたいな。」

晴樹はチューニングをしながら湊をみる。

湊  「ほんまやな。どこかの夏祭りにでも飛び入りしたい気分やわ。」
彰仁 「夏祭り?俺、櫓の上で和太鼓とか叩くの?」
光  「あはははっ。それ、おもろいな。」

光はミネラルウォーターを飲みながら話に加わった。

湊  「ククククッ。まぁ、櫓の上やなくても野外ライブもええな。」
晴樹 「機材痛むで。それ覚悟やったら楽しいけどな。夏やし。」
湊  「高校ん時なんか、夏は外ばっかりやったやん。ふふッ。海の家でやった時は、砂で鍵盤動かなくなったりしたで。熱くてよう弾けんしな。」
光  「楽器だけやないで。俺なんか歌ってたら、思いっきり口ん中にゴミやら虫やら入ってきたりしたしな。」
晴樹 「もも、涙目んなって歌ってたことあったな。」

湊、晴樹、光は大阪で活動していた高校生時代のことを思い出していた。

彰仁 「大変そうだね。でも楽しそう。」
湊  「ドラムセットは高いからな、会場で用意してくれるんは、音がカスカスやったりするで。おかずもほとんどあらへんから、ほんまリズム重視やな。」
彰仁 「まじ!?」
湊  「大丈夫や。最近のアキはめっちゃ上手なったし。」
彰仁 「ほんと?嬉しい!」

湊と彰仁は見つめ合って笑っている。
それを見た晴樹は光に近づき、耳元で話しかけた。

晴樹 「なんやあれ?褒めて伸ばす作戦か?」
光  「そうかもしらんな。最近、湊はアキに甘々やねん。」

クスクス笑いながらそんな話をしていると、紫苑がスタジオに戻ってきた。

紫苑 「すみません。ちょっと、ご相談があるんですけど。」
湊  「どないしたん?」

紫苑は父親に、岸谷や雅紀の話を聞こうと電話をしていたのだが、神宮寺は「その件は、夜にでも詳しく話す。」と言っておきながら、「この施設内にあるホテルの支配人が困っているから話を聞いてやってほしい」と言って電話を切った。紫苑は仕方なく支配人に連絡をとると、週末だけで良いので、ライブをしてほしいと頼まれたのだ。
この施設内のホテルとテニスコートの間にバーベキューガーデンがある。
ホテルやコテージに宿泊している家族連れなどが、そこで夕飯を食べるのだが、そんな客を相手に、平日は女性のMCが、リクエストを受け付けて曲を流したり、ゲーム大会やクイズ大会などをしている。
そこには夏の間、特設ステージもあって、週末には生バンドで60’Sなどの演奏をしているという。しかし、毎年来ていたバンドが急きょ来られなくなってしまい、困っているので、Lumie`re (リュミエール)が代役をしてくれないかということだった。

晴樹 「なんや、面白そうやんか。」
光  「60’Sやったら、俺ら大阪ん時、やってたしな。ロックンロールとかそういうんでええんやろ?」
紫苑 「そうですね。家族連れの親がターゲットみたいですから、みんなが知っているような曲ってことみたいです。」
湊  「今、ちょうどライブやりたいな言うてたんや。オリジナルやないにしても楽しそうやな。」
紫苑 「オリジナルも混ぜていいって言ってました。」
光  「ほんまに?ええやん。」
湊  「紫苑くんは大丈夫やろ?」
紫苑 「ええ、まぁ。」
晴樹 「一晩で20曲完璧にしてくるんやで?60’Sくらい問題ないやろ?」
湊  「そうやな。・・・後は、アキ?どうや、出来そうか?」
彰仁 「うん。曲にもよるけどドラム始めた頃は60’S結構やってたから、思いだす。」
紫苑 「金曜日と土曜日だけでいいそうです。なので初日まであと3日ですけど・・・。」
彰仁 「うっ。」
湊  「大丈夫や。アキなら出来る。」
光  「ほんなら、曲決めようか?」
紫苑 「あ、ミキサールームにCDあるんで、向こうで相談しましょうか?」
晴樹 「そうやな。なんや楽しくなってきた。」

こうしてLumie`re (リュミエール)は、週末だけライブをすることになった。



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