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響瑠

Author:響瑠
ここに書かれている日記は
<妄想>です。
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<光の部屋・夜>

紫苑と結ばれた夜から1週間が経っていた。
光はその翌日、身体がミシミシいうほどの全身疼痛と倦怠感に見舞われ、夕方まで紫苑のベッドで横になって過ごした。
紫苑は、相変わらず無口で無表情だが、甲斐甲斐しく光の世話をしてくれた。
しばらく居て良いと言われたが、湊に預けているスペアキーで晴樹が様子をみに行ってくれているとはいえ、柚子が心配だったので、翌日の夜には自分のアパートに帰ってきた。
そしてその後、お互いに忙しくすれ違いで、会うこともできずにいたのだ。

光  「なぁ、柚子~紫苑どうしてるやろなぁ?学校もあるのに家の仕事手伝うてるらしいねん。えらいなぁ~。」
柚子 「にゃぁ~」

柚子は小首を傾げ、紫色の瞳で主を見つめて話を聞いている。

光  「紫苑が、大阪出身の俺かてよう知っとる神宮寺グループの御曹司やったなんて、びっくりやろ?後継ぎやないから関係ない言うとったけどな。」

ベッドに重い身体を横たえていた光に、紫苑は少しだけ自分の話をしてくれた。
黒塗りのリムジンが運転手つきで迎えに来たり、あのビルの最上階にある部屋には光でもわかるほど高級な家具がそろっていた。更にその部屋のひとつにはグランドピアノまで置いてある。・・・光が過ごしてきた家とは桁違いだ。
光が投げかける素朴な質問に、紫苑は丁寧に答えてくれたのだ。

光  「なんや、夢やったみたいやな~。次どんな顔して会うたらええんやろ?・・・あんときは夢中で告ってしもたけど・・・紫苑も応えてくれたけど・・・俺らってどんな関係なんやろなぁ?」
柚子 「にゃぁ。」
光  「彼女やないし、彼氏も変やろ?・・・コイビト?・・・うわぁ~!!!」

光は自分で言った言葉に赤面して布団を被った。

コイビト?・・・男同士って難しいなぁ。
そやけど、紫苑はほんまに俺でええんやろか?めっちゃモテそうやし、よくよく考えたら紫苑って高校生や・・・。
あいつの方がどうみても落ち着いてる・・・しかも、めっちゃ慣れとった・・・色々と。
紫苑って今までどんな人と付き合ってきたんやろ?男も女もおるんやろか?
・・・フクザツやな。

光はもうすぐ20歳になるが、今まで男も女も関係なく恋人と呼べる相手はいなかった。
小学生くらいまでは、普通に女の子を好きだった。
光はその頃から良く女の子にモテていたが、みんなと仲良くなるけど特定の誰かと付き合うことはなかった。それよりも亮太や男友達と遊んでいる方が楽しかった。
高校生になってバンドを始めると、ファンと呼ばれる女の子たちが増えたが、バンド内でファンの子には手を出さないという暗黙のルールが出来ていた。
光はその頃からバイトもしていたし、バンドの練習やライブもあったので毎日が忙しく充実していたので、特に誰かと付き合いたいとも思っていなかった。
その頃から、光の身長は止まっているのに周りの友達がどんどん追い抜いていき、なぜか男にもモテるようになっていた。冗談なのか本気なのか、光にはわからなかったけれど。
だからと言って、光は男が好きかというと、そうではなかった。
男相手にキスとか、それ以上とか・・・大好きだった亮太とさえ、それはないと思っていたのだから。

光  「柚子~。なんや人を好きになるって難しいなぁ。嬉しいしウキウキもするけど、それだけやないんやな~。胸が痛なったりするんやで・・・。会いたいなぁ・・・紫苑。」

布団から顔を出した主に柚子は頬ずりをする。
光は柚子をだき抱えて布団から出た。

光  「あかん。眠れんくなってもうた。曲でも作ろう。」

それから光は小さなテーブルにノートパソコンを開き、あの夜の紫苑を思い出しながら曲作りをして、次の朝を迎えることになった。



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