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響瑠

Author:響瑠
ここに書かれている日記は
<妄想>です。
実在する地名・人名・団体名が登場しても、それは偶然ですので、まったく関係ありません。
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<ライブハウス・昼>
ライブハウス・スイートポテト店長の真瀬は、ゴールデンウィークの後半から1週間休みをとり、実家の北海道へ帰ることにした。その間Lumie`re (リュミエール)に、店をスタジオ代わりに使って良いと鍵を紫苑に渡していた。

湊  「紫苑くん、昨日渡した音源聞いてみてくれた?」
紫苑 「あ、はい。」
湊  「どうやろ、ちょっと合わせたりできる曲ある?」
紫苑 「あぁ、取りあえず昨日頂いたものは全部大丈夫です。」
湊  「は?全部って・・・20曲は渡したで。」
紫苑 「そうですね。21曲ありました。」
湊  「・・・。ももまだ来とらんけど、ちょっと合わせてみよか?」
紫苑 「はい。」
湊  「ハル?アキ?ええか?」
晴樹 「おおぅ」
彰仁 「OK」

湊が昨日紫苑に渡した音源は全てLumie`re (リュミエール)のオリジナルだった。東京に来てからの曲ばかりだから、紫苑は初めて聴いたはずなのに、20曲余りの全てを一晩でコピーしていた。
5曲ほど合わせたところで、湊は深呼吸をする。

湊  「完璧やな~」
紫苑 「え?・・・コピーしただけですけど。」
彰仁 「コピーしただけって・・・俺なんて何日かかったことか。とほほ。」
晴樹 「アキは時間かかりすぎや。」
湊  「まぁ、アキが普通ってことや。紫苑くん、アレンジとか考えてん?」
紫苑 「それは・・・歌聴いてみないと。」
湊  「そうやな。もも、遅いな。」
彰仁 「俺ちょっと外見てくるよ。」

すると丁度重たいドアが開いて光が飛び込んできた。

光  「遅なってごめん!柚子がなんや元気なくて病院に・・・」
全員 「???」
光  「あっ。」

光は慌てて自分の口を両手で塞いだ。やばい。
みんなに猫を飼っていることはまだ話してなかった。湊が猫アレルギーなこともあって、ちょっと言いだしにくかったのと、本当は自分のアパートはペット禁止なので内緒で飼っていたのだ。

晴樹 「なんや~もも、いつの間に女できたん?」
光  「えっ?」
紫苑 「そう言えば昨日の朝は、俺とその柚子さんを間違えてキス・・・」
光  「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
湊  「一緒に住んでるん?」
光  「あっ・・・・まぁ。・・・そやけど柚子は女やないで。」
晴樹 「なんや!?もも、男とそういうことになってるんか?」
光  「そういうことって?・・・はぁ?・・・男っていうか・・・雄やけど・・・。」
晴樹 「雄って・・・やらしいなぁ、もも。」
彰仁 「ええぇ!?・・・それって?・・・それって?」
湊  「アキにはちょっと刺激強すぎやな?」
光  「・・・?」

なんやねん。みんなして何言うてんねん?
うわぁ、紫苑めっちゃ怖い顔して怒ってんのかいな?

晴樹 「まぁ、ももならありかもしらんけど。どっちにしても連絡くらいしとき。」
光  「ごめん。俺、焦ってしもて。」
彰仁 「それで、具合は大丈夫なの?」
光  「あぁ、予防接種とかもしとらんかって、取りあえず検査入院さした。」
彰仁 「予防接種?」
光  「うん。拾ってきて2週間なんやけど、子供やし病気の検査とかせなあかんかって。」
晴樹 「子供拾ってきたん?」
光  「え?」
湊  「なんや、話がよう見えんな?」
紫苑 「それって・・・子犬とか子猫の話しなんじゃ?」
光  「子猫やけど・・・?」
湊  「!?・・・・ハックションッ!」
光  「湊?・・・それはないやろ?」

スタジオ中響き渡るほどの大声でみんなが笑った。
笑い上戸の湊は、お腹を抱えてくしゃみを連発しながらいつまでも笑っていた。
紫苑は・・・?
光は、いつも仏頂面の紫苑が笑ったとこ見たことないなと思い、横目でチラリと紫苑を見ると、少しだけ口角が上がっている。

なんやそれ?笑ってるんかいな?表情筋硬すぎやろ?

心の中でそんな突っ込みをしながらも、光はそれがちょっと嬉しかった。





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