<旅館の部屋・夜>
食事も済んで、布団も敷いてもらって、ゆっくりとした時間が過ぎていた。
俺は窓から空を見上げていた。
すると、望が静かに近づいてきて俺の背中にそっと身体を寄せた。
望 「お兄ちゃん・・・本当に、ありがとう。俺っ・・・」
俺は望の言葉が終わらないうちに、身体をくるりと返し、望の顎に手をやると上を向かせて、少し強引に口づけをした。
望の、その続きの言葉を今はまだ聞きたくなかった。
そっと唇を話すと望が俺の顔を見上げ、微笑み胸に顔を埋めてぎゅっと抱きついてきた。
望 「お兄ちゃん、大好き。」
くぐもった声でそう言う。
俺は望の髪を撫で、両手で顔を包んで上を向かせるとまた、口づけをした。
さっきよりも、もっと深く深く。
望 「んはっ・・・」
望みが吐息を漏らす。
俺は唇を離すと、望を抱きしめた。
宗一郎「なぁ、望。普通の兄弟はこんなことしないんだ。それと男同士でもしない。」
望 「・・・うん。」
宗一郎「だけど・・・だけど俺は、お前が・・・欲しい。望とキスしたいし、・・・もっと、望の全部が欲しい。・・・駄目な奴だ。」
望 「駄目じゃないよっ!・・・俺もお兄ちゃんとキスしたいし、お兄ちゃんが欲しい。」
望は潤んだ瞳で俺を見つめる。
本当は駄目なんだこんなこと。俺の理性が少しだけブレーキをかけようとする。
だけど、後悔だけはしたくないんだ。
俺はこの望みが叶うのなら、それから先は地獄にでもどこにでも行ってやる。
宗一郎「望・・・愛してる。」
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