ふたりが身体をつなげる行為をすることになったきっかけも「顔見ながら二人で気持ち良くなれる方法がある」という良介の好奇心からくる提案からだった。
どこから仕入れてきたのか、前立腺というところを刺激すると気持ちいいとか、ちゃんと準備すれば汚れないからとか・・・。
最初はふたりで一緒にその準備とやらをやってみたり、お互いの気持ちいいところを探してみたりしたのだが、俺が下手で良介が鈍感なのか、良介が上手くて俺が敏感なのか、試行錯誤の結果、俺が猫とやらにさせられてしまった。
もちろん、そう簡単に良介のデカち○こが、するっと入るわけもなく、それが気持ち良くなるまでには数ヶ月かかったけれど。
それでも高3の夏には、それが気持ちよくて良介からせがまれるキスを躱すことが難しいほどになっていた。
夏休みに入ってから良介は家の手伝いで忙しかったし、俺も隣町の塾の夏期講習に通ったりして受験勉強に専念していたので、ほとんど会うこともなかった。
そんなある日、珍しく良介から電話があった。
当時、田舎暮らしの俺たちに携帯なんて必要なかったので家電だ。
「颯太!どういうつもりなんだよっ!」
楽天的で温和な良介には珍しく、声を荒げてすごい剣幕だった。
「なっなに?」
「何じゃねーよっ!東京行くってどういうことだって言ってんだよっ!」
「あっ・・・」
今日こそは今日こそはと、良介に東京の大学に行くことを打ち明けるタイミングを先延ばしにしているうちに、どこからか聞きつけてしまったらしい。
「あ、良介にはちゃんと、その、話そうと思ってたんだ。・・・けど、良介忙しそうだし・・・」
「そういう問題じゃねーだろっ!」
「そ、そうだけど・・・」
「いいっ!今から行くから!」
「あっ、じゃじゃぁ、向日葵畑で待って・・・る。」
俺の言葉を聞き終わらないうちに、電話はガチャンと切れた。
俺は良介に話すことを先送りにしていたことを心から悔やんだ。俺からではない他の誰かから俺のことを聞くことはどれほど良介の心を傷つけたことか。
そして俺は、ここまできてやっと自分の気持ちを良介に打ち明ける決心をしたのだった。
だけどあの日、向日葵畑でどんなに待っても良介は来なかった・・・。
ぐちゅんぐちゅんと嫌らしい水音を聞きながら俺は良介の背中に腕をまわしてしがみついていた。激しく腰を打ち付けながら良介のそれは俺の中のイイところに確実に刺激している。俺は足の指に力をいれながら、すぐにも達してしまいそうな高ぶりをこらえていた。
「はぁ・・んんっ・・・・あっ・・あぁ・・・・」
こらえてもそこを刺激されるたびに甘い声が漏れる。もう、限界だと思った瞬間、良介の動きが急に止まった。
「はぁはぁ・・・颯太・・・」
良介の指が髪をかき上げるように滑り込んできて両手で頭を挟み込む。おでこをつけて鼻を擦りつけながら俺の名前を呼ぶ。
「はぁ・・ふっ・・・ふう・・・・・ん?」
まぶたを開くとまっすぐに俺を見つめる良介の瞳があまりにも間近にあって少し驚いた。
その瞳は、何か言いたげに俺を見つめたまま動かない。けれど、良介は次の言葉をいつまでたっても発しない。イク寸前で止められた俺の身体は次の刺激を欲して腰が勝手に揺れてしまう。
「ん?・・・・どう・・した?・・・・良介?」
良介は突然俺の頬をざらざらとした舌で舐め始めた。ざらりざらりと舌の感触を頬に感じる。
「なっ?・・・なに?・・・どうした?良介?」
その違和感に俺は飛び起きた。
飛び起きた?・・・寝ていた?・・・夢?・・・夢なのか?
「にゃぁ~」
枕元には、ヨネ子が座っていた。どうやら、ヨネ子に頬を舐められていたらしい。
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