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響瑠

Author:響瑠
ここに書かれている日記は
<妄想>です。
実在する地名・人名・団体名が登場しても、それは偶然ですので、まったく関係ありません。
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<会社・夜>
俺は今夜も一人で残業をしていた。
30歳で独立し、会社を立ち上げて3年。
そう、石の上にも3年だ。
やっとどうにか軌道に乗ってはきたものの
信頼できる社員と少人数でやりくりしている。
社員が帰った後、ひとり残って残務整理をしていることも少なくない。

警備員「中村さん、また居残りですか?」
中村 「お疲れ様です。いつもすみません」
警備員「「いやいや、私はかまいませんがね。今夜は花火大会ですよ。
    ほどほどで帰らないと外は人混みで大変になりますよ」
中村 「そうですね。花火大会なので社員は早めに返しました。
    デートや家族サービスもあるでしょうしね。」
警備員「はははっ。まったく中村さんはやさしいですね~
社員さんも幸せだ。」
中村 「いやいや、いつもよくやってもらってるんでね~」
警備員「でも、そんなじゃ、中村さんはなかなか彼女もできませんね。」
中村 「あはははっ。当分無理ですね~最近は猫でも飼おうかと思ってます。」
警備員「猫なら散歩もしなくていいですしね。でも、ますます婚期が遅れますよ」
中村 「確かに。はははっ。」
警備員「じゃ、私もそろそろ家族サービスに帰りますので、
    後はいつもどおりお願いしますね」
中村 「了解です!と言っても、朝までいるかもしれませんが。」
警備員「やれやれですな。ははははっ。がんばってください」
中村 「ありがとうございます。お疲れ様でした。」

会社が入っているこのビルは5階建てで各階それぞれ別の会社が入っている。
人がいる昼間は警備員がひとりで巡回しているが、夜は無人警備に切り替えて
退社することになっている。
無人警備に切り替えた後は、エレベータにもそれぞれ鍵がついているので、
別の階に降りることはできない。
うちの会社は最上階。と言っても5階なのでそれほど見晴らしがいいわけでもない。
周りにビルが密集しているので、花火も音だけで楽しむことになる。
いやぁ、ホントこんなんじゃいつまでたっても結婚なんて難しいな。



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