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響瑠

Author:響瑠
ここに書かれている日記は
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手塚 「梨里香様。」
梨里香「ご心配おかけしました。」

梨里香が頭を下げると、手塚は銀縁眼鏡の真中を右手の中指で押し上げ、微笑んだ。

手塚 「いえ。私は零王様のご命令で梨里香様をお迎えにあがったまでです。零王様が心配されています。一緒に東京へ戻りましょう。」
湊  「いや。梨里香は大阪に帰します。この縁談は白紙にしていただけるよう、改めてご挨拶に伺います。」
梨里香「お兄ちゃん?」
手塚 「私は零王様の秘書です。そのようなご用件は正式に社長にお話していただけませんと・・・。」
湊  「失礼は十分承知しています。しかし、15歳の妹に何かあってからでは取り返しがつきません。ここはお引き取りください。」

ポーカーフェイスの手塚と湊のやりとりを黙って見ていた莉薗が、梨里香の前に歩み出た。

莉薗 「梨里香ちゃんは、どうしたいの?将来、零王の・・・といより神宮寺家の嫁になりたい?」

梨里香は俯いたまま、首を横に振る。

莉薗 「そうよね。やっぱり結婚って本当に好きな人とするものだと思うわ。ねぇ、ハルさん?」
晴樹 「へっ!?」

突然、梨里香に名前を呼ばれた晴樹は慌てて寄り掛かっていた壁から身体を離すと、梨里香を見つめた。

莉薗 「そして、湊家の問題は、お兄さんに協力してもらって解決してください。」

莉薗は少しおどけてそう言うと、湊に視線を送る。湊は黙って頷いた。

莉薗 「神宮寺家のことは、私達でどうにかしましょう。ねっ!紫苑?」
紫苑 「はっ?・・・ていうか、お前ひとりで何仕切ってんだよ?」
莉薗 「ん?いつまでも、うだうだと話をしていても時間の無駄でしょ?まずは、零王と話をしないといけないわね。」

紫苑はため息をつきながら、神宮寺の血を一番受け継いでるのは莉薗だなと思った。

莉薗 「手塚。一緒に東京に帰りましょう。」
手塚 「しかし、莉薗様。」
莉薗 「四の五の言わないの。あなたには聞きたいことが山ほどあるのよ。車の中で聞くわ。」

流石の手塚も莉薗には何も言えないらしい。
紫苑が小さくため息をつくと同時に携帯の呼び出し音が鳴った。見ると翔からだ。リビングを出て電話をとった。

紫苑 「はい。」
翔  『紫苑くん?すぐに東京に戻ってきて。』
紫苑 「は!?」
翔  『社長が、神宮寺社長が倒れた。』
紫苑 「え!?」
翔  『零王くんも、莉薗ちゃんもいないし。』
紫苑 「あ、莉薗はここに居ます。零王はたぶん検査で病院です。それで?」
翔  『よくわからない。と、とにかく俺ひとりじゃどうにもならなくて。』
紫苑 「わかりました。祖父母に連絡しますので、それまでよろしくお願いします。」

まいったな・・・。今は光さんから、ひと時も離れたくないのに。

紫苑は電話を切ると、握った左手の拳で額を叩く。
すると、莉薗がリビングから出てきた。

莉薗 「紫苑。パパが入院したって。」
紫苑 「ああ。今、翔さんから電話があった。」
莉薗 「そう。こっちは、おじいちゃんから電話あったの。慌てなくて大丈夫だけど、とりあえず帰ってきてって。」
紫苑 「そう。」
莉薗 「そうって。紫苑も一緒に帰るのよ?零王も体調良くないみたいだし・・・。」
紫苑 「帰るけど、零王の代理はしないし、週末にはこっちに戻って来る。ライブがあるからな。」
莉薗 「・・・そうね。」

めずらしく、莉薗が何も言わないので紫苑は少し拍子抜けをした。
こうして紫苑と莉薗は、急遽手塚とともに東京に戻ることになった。




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