<紫苑の部屋・夜③>
紫苑が風呂に行ってしまってから、光はソファに座り、自分の気持ちをどう伝えれば誤解が解けるのか、傷つけてしまった紫苑にどう謝れば良いのか考えていた。
キスしてほしいと、記憶の上書きをしてほしいと言った光に応え、岸谷の記憶をひとつひとつ消すように光に触れ口づける紫苑に対して拒絶と誤解されるような態度をとってしまったことを、光は後悔していた。
しかし、色々ありすぎて心身共に疲れ果てていた光は、そのままソファに深く沈みこみ眠りに落ちてしまった。
目が覚めると、身体にタオルケットがかけられていた。
光は起き上がり、紫苑の姿を探した。
すると、微かに開いた扉からピアノの音が聞こえてくる。
光 「紫苑?」
音のする方に近づいて扉の隙間からそっと覗くと、月明かりに照らされてピアノの音色を奏でていたのは紫苑だった。
その音色は美しく、そして切なくも情熱的に綴られていく。
光はそこに立ちつくし、紫苑を見つめて心と身体でその音色を感じていた。
曲が終わると、光は何も考えず紫苑を背中から抱きしめていた。
誤解を解こうとか、どう謝ろうとか、そんなことはもう考えていなかった。
光は迷うことなく自分の気持ちを、まっすぐに紫苑に伝えていた。
光 「・・・紫苑・・・俺な・・・紫苑が好きや。」
紫苑のベッドルームは広く、部屋の中央にクイーンサイズの大きなベッドがある。
外界の灯りは遮光カーテンで遮られ、代わりに暖色系の灯りが灯されていた。
光はその大きなベッドに仰向けに横になり、真上から見つめる紫苑の紫色の瞳を見つめている。
紫苑 「光さん?・・・大丈夫?」
光 「ん?」
紫苑 「緊張してる?」
光 「な、なんやねん。・・お、俺が欲しい言うたんや。武士に二言はあらへん!」
紫苑 「武士って・・・」
光は紫苑に見つめられてドキドキしていた。
紫苑はそんな光の緊張をほぐすように、その薄い唇に口づけると啄むように何度も触れては離れ触れては離れる。
紫苑の熱を帯びた唇が、光の頬や鼻先やおでこに移動し、また唇に戻ると今度は深く口づける。紫苑の舌が光の口腔内で生き物のように動き回り、光の息はすぐに乱れてしまう。
気づくとパジャマのボタンは全て外されていて、紫苑の温かい手が光の身体を撫でている。
耳朶を甘噛みされ、首筋を舌が這い、鎖骨をペロリと舐められ、その度に光の身体はビクッビクッと反応する。そして紫苑の舌先が胸の突起をつつくと光の身体はひと際大きく跳ねた。
光 「んんっ!・・はぁ・・・はぁ・・・」
紫苑 「胸・・・感じる?」
紫苑は人差し指で、その突起を転がしながら光の耳元で囁く。
光 「んぁ・・・俺・・・男やのに・・・変・・・んっ・・・」
紫苑 「光さん、我慢しないで・・・気持ちいい声聴かせて・・」
光は、舌を使うキスだって紫苑が初めてだったのだ。女とか男とか関係なくセックスなんてしたことない。湊に、「自分でもあんまエッチせんやろ?」と言われたが、それは満更外れてもいなかった。男だから、まったくしないということはなかったが、積極的にすることもなかった。だから自分ではない、人の手が身体に触れるだけでこんなに敏感に反応してしまう自分に戸惑っていた。
光 「はぁ・・俺だけ・・・恥ずかしい・・やろ・・・」
光はそう言って紫苑のパジャマのボタンを外して脱がせた。紫苑の身体は程よく鍛えられ、美しい筋肉がついていた。光はそんな紫苑の少し汗ばんだ上半身を見てまたドキドキとしてしまう。
紫苑 「もっと、俺に預けて。」
紫苑はそう言うと光の唇を貪り、片手は光のすっかり熱くなって勃ちあがっているそこを、布越しに擦るように触れる。
光 「あぁんっ・・・あっ・・・あっ・・・はぁ・・・」
光の声は甘く鼻から抜ける。
紫苑はその声に更に欲情し、光のパジャマと下着を一気に脱がせた。
光の両足を割ってその間に両膝を付いて座ると、光の硬く反ったペニスを手に取り口内へ招いた。舌を使って頭を上下させ出し入れする。
光 「あぁ!・・んぁ・・・んっ・・・しおんっ・・・あぁ・・・」
光は初めて受けるその快感の衝撃に、思わず腰を引こうとするが、その細い腰は紫苑のたくましい腕に押さえこまれて逃げることはできない。
光の反応に気を良くした紫苑の舌は更に強い刺激を与えてくる。
光 「あぁあぁ・・・あかん・・あかん・・あぁ・・・んんなぁっ!」
光は、あっという間に紫苑の喉奥に吐精してしまった。
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