<湊の家・夜>
なんやねん!なんやねん!なんやねん!・・・なんやねんなあいつ・・・俺に何した?
ライブ終了後、Lumie`re (リュミエール)のメンバーは湊の家に集まっていた。
湊のマンションは、一人暮らしにしてはかなり広い。
みんなが集まっているリビングの他に、ベッドルームとゲストルーム。なぜかゲストルームは和室だったりする。そのほか衣裳部屋と楽器部屋。もちろんそこは防音だ。
同じマンション内には、芸能人なども住んでいたりするお洒落なマンションなのだ。
湊は手際よく打ち上げのおつまみを料理している。
彰仁はその手伝いをしているが、あまり役にたっているとも思えない。
晴樹はソファーにどっかりと座り、光はその前をうろうろしていた。
なんであいつキスしおったんやろ?・・・キスちゃうんかな?・・・はずみでぶつかっただけやったりするんかな?・・・そんなあほな。・・・ちゃうやろあれは、絶対わざとや。でも、なんでやねん。
光はライブの興奮が治まってくるにしたがって、紫苑のことで頭がいっぱいになっていた。
晴樹 「もも、どないしたん?さっきから赤くなったり青くなったり挙動不審やで?」
光 「え?・・・いや、なんも。」
湊 「くくっ。もも?紫苑くん、今お店出たって。」
光 「紫苑!?あいつも呼んだんか?」
湊 「当たり前やんか。今日のライブの成功は、彼の力が大きいやろ。」
晴樹 「そうやな。あんなん気持ちよくギター弾いたんは久しぶりやったな。」
彰仁 「俺も、あの曲の苦手だったリズムのところ、すっごく叩きやすかった。」
湊 「紫苑くんがリズムリードしてくれたからね。でもアキ、そこはちゃんと練習せなあかんで。」
彰仁 「はぁい。」
晴樹 「ほな、俺ちょっと迎えに行ってくるわ。」
湊 「あぁ、よろしく。」
紫苑が来る?光は焦っていた。
なんで来んねん。どんな顔して来んのや?
ライブの本番中にキスするってどういことやねん。しかもあいつも俺も男やで。
そう言えば、その前にあいつ何か言いおった。
「こっちに・・こい?」だと思ったんやけど・・・やっぱり近づかせてキスするつもりやったんか?
人んことオカマよばわりしおったくせに、キスするってどういうことやねん。
変態なんかな?どんな顔して、会うたらええねん。
光は頭の中をぐるぐるさせて、顔は百面相状態だ。
湊はそんな光をみて、おかしくてしかたがない。
湊 「紫苑くんて、今までみたことないタイプやね。」
光 「ん!?・・・なんやって?」
湊 「くくっ。だから、紫苑くん。なかなかええ男やなって思って。」
光 「紫苑がええ男?んなことあるかいな。」
彰仁 「すっごく堂々としてるし、ベース弾いてるところカッコよかったよね。」
湊 「ん?・・・アキは紫苑くんみたいな人がタイプなん?」
彰仁 「えぇ?そういうわけじゃないけど・・・ていうか俺、女じゃないし。」
湊 「ふぅ~ん。ももは?」
光 「はぁ?何言うてんねん。タイプなわけあるか。俺も女やないし。」
湊 「ふふっ。・・・そやけど音、良かったやろ?」
光 「・・・そやな。ええ音やったわ。」
湊 「そうやろ。Lumie`re (リュミエール)に欲しいなぁ、あの音。」
光 「そやな・・・はっ!?・・・な、何言わせんねん!」
湊 「自分で言うたんやないか。人のせいにすなっ。」
光 「・・・」
湊 「くくっ。ほんまはもも、気にいってるんやろ?」
光 「・・・気にいらん。あの態度が嫌や。」
湊 「そんなん、人見知りなだけかもしらんやんか。・・・運命な気すんねん。」
光 「なんや、運命って?」
湊 「あの曲、偶然ライブハウスで聴いて気に入って、あんな上手く弾けるようなって。今日のあの場所におったんやで。こんな偶然あらへん。これ必然やと思うわ。」
彰仁 「俺も、最初音源かけたとき、いきなりベース弾きだしてむちゃくちゃ上手で鳥肌たったよ。」
湊 「・・・僕も、興奮したんや。」
光 「・・・」
ピンポーン
晴樹 「俺や。」
湊はリモコンでロービーの扉を解除した。
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