<夢の国(遊園地)・昼>
今日はクリスマスイブ。
なんとなんとっ!そんな大切な日、私はお兄様と夢の国でデート中です!
しかも、今夜は遊園地内にある素敵なホテルに宿泊するのです。
お兄様は、いったいどんな魔法を使ったのでしょう?
私は、まるでシンデレラにでもなった気分です。
数日前、お兄様に誘われた時は、本当に夢かと思いました。
夏頃から頭痛や耳鳴りがひどくて、少し落ち込んでいたので、
きっとお兄様が気を使ってくださったのかもしれません。
それでもいいんです。大好きなお兄様とこんな素敵なデートができるのですから。
明日のクリスマスは、望ちゃんがお兄様と過ごすことになっています。
交換日記のお陰で、望ちゃんとも色々お話が出来るようになったし、
最近は望ちゃんの為に私が眠りにつく時間をつくることも増えました。
少し寂しいのですが、最近はそれでもいいと思えるようになっていました。
だから、今日は私がお兄様を独り占めです。
佳苗 「お兄様!早く早く~」
私は、サンタクロースをイメージした真っ赤なミニスカートのワンピースに
大きなリボンをつけて、キャラクターハウスの前でジャンプをしながら手招きします。
宗一郎「しかっし、元気だな~。佳苗がこんなに活発な子だと思わなかった。」
佳苗 「そうですか?今日は特別かもしれませんけど。」
宗一郎「あぁ、楽しんでくれているなら、俺はうれしい。」
佳苗 「もちろん、楽しいです。」
私は少し大胆に、お兄様の腕をとり、列の最後尾に並びました。
今日は一日中お兄様の恋人気分で素敵な時間を過ごすことができました。
暗くなると、キャラクターのショーや、花火も見える園内のレストランでディナー。
ノンアルコールのシャンパンで乾杯でしたが、ちょっと大人になった気分で
私は、今までで一番幸せなクリスマスを楽しみました。
レストランを出てホテルに向かって歩いていると、お兄様が急に私を引き寄せ
抱きしめました。
私は、いったい何が起きたのかわからず、背の高いお兄様の胸に顔を埋めたまま、
立ち止りました。
すると、少し離れたところから聞き覚えのある声が聞こえたのです。
芳明 「おや?宗一郎君ではないか?」
お兄様の私を抱きしめる腕に力が入ります。少し痛いくらいに抱きしめられました。
宗一郎「・・・ご無沙汰しています。」
芳明 「クリスマスイブにデートですか?是非、ご紹介してくださいな。」
宗一郎「いえ、それには及びません。僕も、叔父上の隣の女性をご紹介されても、困りますから。」
芳明 「ははっ!こりゃ、一本とられたな。にひひひひっ、ここはひとつ内緒でな。」
宗一郎「心得てます。では、失礼します。」
お兄様は私の顔が叔父様に見えないように私の頭を抱えこんだまま歩き出しました。
前が見えず、少し速足に歩くお兄様について行くのが大変でしたが、
私を守ってくださったことが、とても嬉しくて心が温かくなりました。
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