【別冊:まだ見ぬ景色】10 ~その頃、このふたりは・・・?~
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彰仁が目を覚ますと、ニコニコと微笑む湊と目が合った。
カーテンの外は既に明るくなっている、湊のベッドの中だ。
寝ぼけ眼を、パチパチとしばたかたせながら湊をみた。
彰仁 「祥くん・・・おはよ。」
湊 「おはよう。僕の天使ちゃん。」
彰仁 「・・・!?」
「ん?・・・俺、寝ぼけてるのか?・・・天使って・・・夢?」
そんな彰仁の心の声が聞こえたのか、湊は彰仁の髪を白くて細い指で梳きながら顔を覗き込む。
湊 「夢やないで。ずっとアキの寝顔みてた。」
彰仁 「・・・なんで?」
湊 「可愛いから・・・幸せ噛みしめとった。」
そして、少しずつ覚醒してきた彰仁は夕べのことを思い出した。
「あっ。・・・俺、祥くんに告って・・・うわっ。」
急に恥ずかしさがこみ上げて、布団の中にもぐりこんだ。
湊 「どないしたん?」
彰仁 「・・・夕べ・・・俺、気失った・・・?」
湊 「そうや。・・・そのまま眠ってしもたから、ちょっと心配やったけど、ちゃんと寝息して気持ちよさそうやったから、そのまま寝かしたんやけど。」
「うわぁ・・・うわっ・・・恥ずかしい。どうしよう。あんなに俺・・・」
湊 「なんや、顔見せてえな。アキ・・・もしかして、夕べのやっぱり嫌やったん?男にされんのは気持ち悪かったん?」
彰仁 「ちっ、違うよ。・・・でも、嫌だった。」
湊 「え!?」
湊は慌てて布団を剥ぐと、潜っている彰仁の顔を見つめた。
湊 「嫌・・・やったん?」
彰仁 「・・・だって、・・・俺ばっかり・・・なんども・・・」
湊 「それは、ええやんか。僕がアキを気持ちよくさせたかったんやから。」
彰仁 「だって・・・恥ずかしいじゃん。・・・祥くんは服着たままだし普通だし。」
真っ赤になりながらムキになって抗議する彰仁が可愛くて、湊はその唇を塞いだ。
彰仁 「んんっ・・・はぁ・・・・ず・・・るい・・よぉ・・・あんっ・・・」
湊 「アキ、可愛い。・・・僕だって普通やなかったで。そやけど・・・・・」
彰仁 「・・・だけど、何?」
彰仁はくりくりっとしたまあるい瞳で湊をみつめる。
湊 「僕な、アキんこと大事にしたいねん。そんな急に色々したらアキ壊れてまうやろ。」
彰仁 「え・・・?・・・そうなの?」
湊 「ほらな。アキは、男同士でエッチするんがどういうんか、よう知らんやろ?」
彰仁 「・・・うん。・・・女の子とも・・・したことないけど。」
湊 「えぇ!?・・・そうなんや?」
彰仁 「うん。」
「マジか・・・ほんま、夕べ手出さんとよかった。・・・修行僧並みの試練やったけどな。」
湊は、夕べのことを振り返りながら、冷や汗を拭った。
射精をせき止められた彰仁は、この上ないほど乱れた。
瞳を潤ませ半開きの唇からはキラキラ光る唾液が溢れ、身体をビクビクっと痙攣させながらイかせてと懇願する姿が、湊はたまらなく愛しくて執拗に愛撫したのだ。
何度目かの絶頂を迎えた時に、そこを開放すると彰仁は甘美の声をあげて達し、そのまま意識を手放したのだ。
彰仁が感じやすい敏感な体質なのだと察し嬉しかったが、このまま彰仁を抱いたら壊わしてしまいそうだと思ったのだ。
湊 「アキ、好きやで。そやから、少しずつしよな。」
彰仁 「少しずつ・・・?」
湊 「そうや。・・・僕、アキがほんま大事やねん。そやから少しずつ愛し合おうな。」
彰仁は湊の、愛し合おうな・・・という言葉が嬉しくて、そして恥ずかしくて湊の胸に顔を埋めた。
彰仁 「うん。・・・祥くん・・・大好き。」
別冊:まだ見ぬ景色 Fin
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取りあえず、まだ見ぬ景色(前編)の番外編はここまでです。
このふたり、まだ最後までいってないんですね~湊がちょっとへんた・・いえいえ、ちょっと変わり者なんで。このふたりのことも見守っていただけたらと思います。
本当はGW中、楽園の番外編でも書こうと思っていたのですが、発熱して寝込んでしまった為断念。ちょっと休んで、まだ見ぬ景色(後編)に行こうと思います。
よろしくお願いいたします。
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